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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅のプロ

福味健治(ふくみけんじ)

岡田一級建築士事務所

コラム

建築家はどんな家に住んでいる?

【カフェテラス】

2018年9月13日

奇抜な家には住んでいません^^

日頃、依頼主のリクエストに応える為、してみたいアイデアやデザインもぐっと抑え、ありきたりな家を造っているので、自邸となればさぞややりたい放題してるのでは?
と思われがちですが、実はやりたい放題は仕事でやっています。ただし、根拠も理由もなしにやりたい放題しますと訴えられますので、耐震性能とか温熱性能とか数値で有用性が確認出来る部分に関しては、大胆にやりたい放題しています。
例えば、吹き抜けのデメリットとして、よく話題になる問題として、冬の寒さがあります。暖気が上に抜けてしまい、いつまで経っても部屋が温まらないというものです。しかし、寒くならない方法を、勘や経験ではなく、数値で確認しながら設計していくと、吹き抜けがあっても全然寒くならない家が出来上がります。
また、デメリットの一つとして、床を張らない分、建物が弱くなってしまい、地震の時に不利になりますが、これも構造計算をちゃんとしていれば、まったく心配する事がありません。構造計算を行わず、勘や経験で構造を決めてしまう為に、吹き抜けは弱くなってしまうのです。情けない話しですが、これだけ地震活動が活発になっている現代でも、構造計算なしに建築確認申請がパスしています。

しっかりと根拠を数値で示せれば、堂々とやりたい放題出来るため、ストレスはありませんので、自邸は案外普通の家に住んでいます。

一般の方とこだわり方が少し違う

私の住む家は、そんな事から、一般の方が住む家と、そんなに大きく異なったりはしませんが、一般の方とこだわり方が少し違っています。
話しは少し脱線しますが、車の色に地味な色が多いのは何故でしょう。自分の好きな色を選べば良いのに、何故、黒とかグレーとか白が多いのでしょう。これは、色を選ぶ時に、自分の好きな色を選ぶのではなく、人が選びそうな(人が良いと云いそうな)色を選んでいる為です。私は黄色い車に乗っています。黄色が好きだからです。
もう少し脱線しますが、システムキッチンのグレードの違いは何でしょう。キッチンの本質は食材を調理する事にあります。食材を調理する機能さえ充実していれば文句はないハズです。しかし、キッチンのグレードは調理の出来栄えに何の関係もない、扉の色でグレードが決まっています。それも1~2割の話しではありません。最低グレードと最高グレードで数倍の差が付く場合もあります。ショールームのレイアウトも巧妙で、安価なグレードよりも高価なグレードの方が良さそうに見える様に配置されています。来た人はどうしても高価なグレードに目が行きます。それは、自分が良いと感じているのではなく、他人が「いいね」と褒めてくれそうだから、選んでしまうのです。
私がモノを選ぶ基準の中に価格のグレードはありません。気に入ったモノと価格との間に相関関係が無いのです。
我が家のシステムキッチンは18万円です。180万円のシステムキッチンと、調理時間も、調理し易さも、片付け易さも、なにも変わりません。

どこにお金を使うかが、一般の方と違う

表面に見えているモノは、最低ランクのモノでも全然構いません。最低ランクと云っても性能が劣る訳ではありません。汚れ・劣化にも安い高いは関係ありません。
表面に見えるモノは飽きれば、(問題が生じれば)簡単に取り換えが利くのです。
本当にお金を掛けないといけない部分は、仕上げてしまえば見えなくなる中身にあるのです。建売住宅は中身を最低ランクにして、表面ばかりにお金を掛けます。
だから、木造の家は30年持たないとかの評価を受けてしまうのです。「どうせなら良い物(高いモノ)を長く使いたい」と考えるのであれば、表面の見える部分にお金を掛けず、中身にお金を掛けて下さい。

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2018-09-05
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