ローコストなエコの家の7年後
長年の経験がモノを云うはほんと?
「年間〇〇棟を〇〇年に渡り建物を造ってきた実績があります。この経験を活かしお客様のご要望にお応えします」この宣伝文句におかしいところはありません。
建築は建売住宅でない限り、同じものを大量に造る事はしませんから経験は重要です。以前似た様な事をして問題無かったから今回もこうしようと言う判断は、経験無しには出来ません。
だからと云って、全てを経験だけに頼って建物を建てられるものでもありません。
例えば、構造はどうでしょう。勘や経験で任せる事が出来るでしょうか。十年ほど前に姉歯事件がありました。構造計算を詐称して欠陥マンションが大騒動になりました。良心的な建築関係者は誰もがあり得ない話しだと怒りを覚えたものでした。しかし、姉歯事件は詐称してても一応構造計算はしているのです。世の中には詐称どころか構造計算すらしていない建物が氾濫しています。
木造二階建て住宅は構造計算しなくて良い?
建物を建てる前に建物を建てる申請を行います。この申請を建築確認申請と云い、検査機関にその建物が合法か否かチェックしてもらう制度です。
建築基準法を見ていると、一定の規模の建物については、構造計算書の申請を免除しています。これを4号特例と云います。但し、これは申請を免除しているだけであって、構造計算をしなくて良いと言っている訳ではありません。
しかし、多くの建物が構造計算すらせずに申請して建てられているのです。その理由は、【自分には長年に渡る経験があるから】なのです。
構造は勘や経験では出来ない
自分達には長年建物を建てて来た経験がある。たしかに建物を建てて来た経験はあるでしょうが、構造計算を行って建物を建てた施工者さんは多くはないはずです。中には一級建築士の大工さんもいらっしゃいますので全く無いとは言いませんが、私の知る限り構造計算まで行って木造住宅を建てている工務店さんは希少です。
構造計算を行った経験がないのに、【自分には長年に渡る経験がある】と云って構造計算を行わず木造建築を建てているのです。
「自分は車を運転してきた長年の経験があるから、飛行機だって操縦出来る」と言っているのに等しいのです。
経験のないモノは経験ではなく、勘でもなく、あてずっぽうに近いのです。
依頼する時は「構造計算を行って」と言いましょう
地震に強い家が欲しい時、工務店さんに「地震に強い家を建ててね」と頼むのではなく「構造計算を行って安全を確認してください」と依頼しましょう。
宜しければ、下の【よかった!】ボタンを押してください。コラムを書く励みになります^^
また、家に関するコラムのリクエスト受け付けています。問い合わせ欄よりリクエストをどうぞ^^