グルーミングルームのある間取り
誰に相談するのか
家造りを思い立って最初の壁が誰に家造りを依頼するかだと思います。建築関係に携わる人であれば、知り合いの専門家に相談されるでしょうが、そうでない人は誰に相談するかで悩みます。そこで建築の専門家と呼ばれる職種で思い当たるのを列挙します。
①不動産屋
②工務店
③ハウスメーカー
④設計事務所
⑤マッチングサイト
①不動産屋さんに相談すると・・・
建物も土地と同じ不動産ですから、建築の専門家と云えなくもないですが、基本的に不動産業と建築業は異なります。土地取引に関する事は不動産屋さんの独占的排他的専門職ですが、建物については取引の専門であっても基本的に建てる専門家ではありません。多数の物件を手掛け数々の物件取引に携わっている点で、一般の人よりも専門色は強くなりますが、技術屋さんではありませんので建物に関しては知り合いの専門家を紹介する等々の話しに落ち着くのが常です。ただ単に好意的に専門家を紹介してもらえるならそれもいいですが、大体において土地と共に建築請負にまで関与して土地建物一式で提案してくる傾向にあります。
一般に建築条件付土地と呼ばれるのがその方式です。土地取得から入居までワンストップでお手軽ですが、建物の性能や工事監理者が不在な場合が多く、建築紛争の多くが建築条件付土地が原因となっています。
トラブル事例→→→→http://www.jin.ne.jp/oado/sippai.htm
不動産屋さんとの付き合いは建築条件の無い土地を紹介してもらうに留めておいた方がより自分らしい住まいを手に入れる道かと思います。
②工務店さんに相談すると・・・
工務店さんは建築工事の専門家です。住宅建設に留まらず様々な物件をこなしておられます。ただし建築する事の専門家ではありますが、設計する事の専門家ではありません。工務店さんの本来の役目は、設計図書通りの性能の建物を誰よりも安く顧客に提供することにあります。
また、工務店さんの勧める工法や商品は、造り手にとって都合の良い工法や商品である事が多く、建築主にとって良いモノであるとは限りません。
「設計・施工」と云う看板を掲げ設計と施工を同時に請け負う工務店さんがおられますが、殆どが設計を下請けの設計事務所に外注します。下請けの設計事務所が作る設計図書は工務店にとって都合の良い工法や商品で構成されており、建築主の側に立った設計図書になっていない可能性があります。
③ハウスメーカーに相談すると・・・
もっとも手軽に建物を手に入れる手段です。モデルルームを見て自分の欲しい家をイメージする事ができますし、暑さ寒さと云った性能面も体感することも可能です。工事代金も素人でも分かり易い坪単価が設定されており、工事も工場生産された部品を組み立てる事により均質な性能を得る事が出来ます。
問題点は、飽きてしまう事です。工場生産ラインに乗せる為間取りやデザインに制約が多く、外観を見るだけでどこのハウスメーカーの建物か分かってしまう没個性な家です。ローンが完済する頃には建て替えの時期が来ており、代々住み継がれると云った家造りには向きません。
④設計事務所に相談すると・・・
設計事務所は実労としての工事には参加しません。建築主の要望を設計図書にまとめ工務店に正確に伝え、設計図書通りに建築工事が進んでいるか監理する事が仕事です。その意味で建築主と同じ立場で建物を見ていますので、工法や商品を見る目線は建築主と共通していますので、相談相手としては最も相応しい専門家です。
但し、設計事務所と一口に言ってもマンションやビルばかり設計している人や商店ばかり設計している人もおり、住宅設計に特化している専門家を探す事自体に大きな労力を要します。設計事務所は医院や法律事務所と同じで自らチラシ広告を出して宣伝する事がありませんので、人目につき難く敷居が高いのが欠点です。
⑤マッチングサイトを利用すると・・・
インターネットで設計事務所等で検索しますと、設計事務所を紹介するマッチングサイトが目につきます。探している設計事務所が簡単に見つける事が出来ますし、大方のサイトには相談コーナーも併設されています。そこで気に入った設計事務所と相談すれば、建築主の要望を具体化してもらえます。
欠点は、マッチングサイトを運営する為のギャランティーが設計料に反映され割高になってしまう事です。またネット上のマッチングサイトですので、ネット上でよく見える(プレゼンテーションの上手な)設計事務所に目が行き勝ちで、本来の設計事務所の実力と人気が必ず一致するものではありません。
全ての相談相手に一長一短があり、家造りを考えている方の頭を悩ます結果となっていますが、まずはアクションを起こす事が大事です。