見ないと後悔する目からウロコの家造り
請負契約と売買契約
不動産を取得するには二つの方法があります。一つは現状あるものを購入する方法で、もう一つはこれから建ててもらう方法です。
この二つは契約方式が異なります。
現状あるものは、現物を見て販売価格と照らし合わせ、納得して【購入】しますので売買契約となります。
これから建てるものは現状では影も形もありませんので、希望通りのものを完成させるために工事を【請け負って】くれる人と契約しますので、請負契約となります。
請負契約が成立するには、依頼する側と請け負う側の意思統一がなされるための資料が必要となります。その資料とは一般的には設計図書を指します。中にはモデルルームと同じものをこれから建てますと云って請負契約をしようとする業者もいる様です。しかし、モデルルームでは仕上げは確認出来ても、その建物の性能や構造を見る事は出来ません。また全く同じ外観・間取りでないとトラブルの元になります。
変な請負契約
もっと変な請負契約も存在します。
●契約書の体裁は請負契約書となっているのですが、内容は平米単価○○円で契約します。
●標準仕様以外の仕様は別途追加工事の対象となります。
と云うものです。
本来の請負契約書は設計図書が付いてあり、その設計図書に基づいて分厚い見積もり書をついているものです。見積もり書の内容は材料の明細が表され、数量と単価が書かれています。明細x数量x単価が見積もり金額です。
これくらい詳しく書かないと、変更工事が発生した場合の変更見積もり金額がはじき出せないのです。
上記の見積もりは平米単価のみを定め、間取りは何も確定していません。同じ床面積でもサイコロの様な立方体の形状と直方体の様な形状では壁の面積は当然異なります。当然値段が異なるハズなのに、そんなことはお構いなしに平米単価を床面積に乗じて工事代金をだしています。もしかしたら、支払う必要のない壁面まで支払っている可能性があります。
設計契約と工事契約は分けて行う事が大切
工事契約も出来ていないのに設計図書を詳細に作成出来ないし、見積もりも設計図書が無いから出来ない。と施工者さんから言われると思います。施工者再度の論理で行けばその通りです。しかしそれだから仕方ないと納得する必要はありません。設計契約と工事契約を分離して行えば解決する話しです。
平米単価の請負契約を行うから、建築主と施工者の間に解釈の違いが生まれ、建築紛争の元となるのです。