ローコストなエコの家の7年後
日本人は間取り図面が好きです。専門家でなくても自分で間取りをあれこれ書いて楽しむ人もおらます。
これは、専門家にとっても都合の良い事で、ごく初期の段階でプランを提案する際に、簡単な間取り図だけでも凡その大きさや、部屋のつながりを説明することが出来ます。
これは日本独自のタタミの存在が非常に大きな意味を持ちます。単に「6帖です」「8帖です」と云うだけで、全員に共通認識が生まれます。
しかし、帖数の組み合わせだけで、理想の間取りが出来る訳ではありません。何もない部屋は広くて大きいですが、そこに家具が入ると途端に狭くなります。欲しかった窓も家具に隠れてしまい日差しや風通しの妨げとなります。
日本には古来より、ハレの間・ケの間と云う概念があります。
ハレは晴れ着のハレです。よそ行きの少し気を張った空間をさします。座敷がその代表で、床の間があり客をもてなします。日本家屋で人がいいなと憧れる様な空間は全てハレの間です。
逆にケの間は、人に見せたくない空間を指します。舞台裏とでもいいますか、物入れや納戸・トイレ風呂場を指します。決して表舞台に立つことはありませんが、ハレの間をいつもハレの間として存続させる為になくてはならない存在です。
住まいは生き物としての人が住む装置ですがから、ケの間がないと、ハレの間がケの間と化してしまい、雑然とした家になってしまいます。広く大きなハレの間も素敵ですが、ケの間を無視してまで広くしてしまえば、元も子もなくなります。