住まい再好築【今どきの家は何故和風住宅が減っているのか】
最近では、住宅建設に於いて地盤調査は欠かせなくなっています。
阪神大震災前までは、地盤調査を行いながら家を建てると云う事は殆どありませんでした。阪神大震災で地盤の強弱により、建物被害に大きな差が出たため地盤調査の必要性が叫ばれたのです。
住宅の瑕疵保険を利用する場合も、地盤調査が必須となっています。
今最も多く用いられているのが、スウェーデン式サウンディング試験です。
太い錐を地面に回転させながら、圧力をかけてねじ込んで行き、25cm沈むまでに何回転するかを計測して地盤の強さを想定する方法です。敷地に5か所程試験を行い、費用は数万円程度で済みますので急速に普及しました。凡その地盤の強さが判りますので、もしも地盤が弱ければ基礎工事前に地盤改良を行ったり出来ますので、何もしないより遥かに家の為には良いのですが、万能ではありません。
サウンディング試験は土中のサンプルを採取できない為、硬さは判っても土質の性状が判らないのです。付近データで信頼の出来るものがあれば、それらで推測することはできますが、ボーリング試験と呼ばれる「標準貫入試験」に比べると信頼性が薄らぎます。同じ強さでも土質の性状によって地耐力が変わります。例えば、砂層と粘土層では同じ耐力でも圧密沈下する度合いが異なり、対策方法も異なります。
また、地下水位もサウンディング試験では判断できない為、液状化対策も立てられません。
サウンディング試験のみで、建物の安全性を検証しようと思えば、付近データと設計者の経験が必要なのです。