ハウスメーカーと私の家造りの違い
アメリカで、小学校が倒壊し死者6人を出す巨大竜巻が発生しました。昨日一日で50件の竜巻が発生したとのことです。アメリカ大陸の内陸部は地表面と上空の温度差が激しく、加えてユーラシア大陸ほど大きくありませんので、乾燥はしていませんので、積乱雲が発達し易くこの季節は必ず竜巻の災害が報告されます。
日本は島国で、常に偏西風が流れているため、地表面と上空の温度差が少なく、竜巻が発生するほどの巨大な積乱雲は出来難いとされていました。しかし、昨今の温暖化が原因かどうか判りませんが、昨年死者が出る竜巻に襲われています。
竜巻の発生する日は、風が弱く朝と昼間の温度差の激しい日です。今年はまだ大陸からの空気に覆われていますので、空気が乾燥していますが、太平洋から暖かく湿った空気が入り込むこれからの季節、日本でも竜巻が発生する条件が揃ってきます。
遠くから眺める積乱雲(入道雲)は美しく、しばし見とれてしまいますが、その雲の中では恐ろしいほどの上昇気流が生まれています。暖かい湿った空気が上昇気流で上空に押し上げられて、一気に冷やされます。そうすると、空気は露点が下がり水蒸気が水滴になり、水滴が冷やされて氷となります。上空で上昇気流の中で氷が揉み合っているうちに、どんどん成長して大きな雹となります。猛烈な上昇気流でも雹の重さを支えきれなくなると、一転して雹は地表に向かって落ち始めます。雹が落ちてくる時、回りの空気も巻き込み強烈な降下気流(ダウンバースト)が発生します。
その降下気流が何等かの原因で渦を巻くと竜巻が発生すると考えられています。竜巻は発生件数が少なく短時間で終わりますので、研究が進んでおらず本当のメカニズムはまだ解明されていません。
しかし、湿度の高い、朝と昼間の温度差の激しい晴れた無風の日は、竜巻が発生する条件が揃っています。今年も日本の大きな平野部で、竜巻の被害がでるでしょう。
現在の建築基準法は竜巻の事を何も考慮していません。竜巻には殆ど無抵抗です。ですので、木造の家の中に避難するのは無意味です。今しがたまで晴れていたのに、突然辺りが暗くなり始め、雹が降ってきたら竜巻を警戒して下さい。竜巻は局地的な災害ですので竜巻の進行方向以外の出来るだけ遠くへ逃げるか、鉄筋コンクリートの建物の中に避難して下さい。コンクリート製の橋の下も有効です。