ローコストなエコの家の7年後
和風住宅の中でも、茶室から派生した「好みに任せた家」を数寄屋と云います。茶道の精神に習い、虚飾を排して内面を洗練させて客をもてなす家を指します。
その為、一見すると質素であるにも関わらず、実は見れば見るほど深みがあり、住まう人を飽きさせません。そんな数寄屋の導入部に数寄屋門が建ちます。
寺院や武家屋敷の門屋と比較すると、華奢で繊細に見えますが、奥の深い意匠性を持っています。数寄屋には大工さんの遊び心が盛り込まれます。この様な華奢な門が、何故自立するのかとか考えると普通の建て方では済まないだろうなとか、軒を深くしないと木が傷むのが早いだろうなとか、色々問題が見えてきます。
それらをさりげなく、さも普通の様に見せる工夫(技術の粋)が、良い数寄屋普請には施されていいます。
カタチを真似るのではなく、精神を習う。
数寄屋の家には、古くなっても人々の心を惹きつける魅力が詰まっています。