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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

丸くて四角い三角

2013年5月2日

テーマ:【カフェテラス】

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 畳 掃除畳 張り替え

横から見れは四角で正面から見れば三角で下からみれば丸。この物体は例外的に存在します。
瞬間で頭に描けた人は建築家の才能があります。

当たり前ですが、建築は立体の構造物です。その構造物を建ててくれと表現するのに、二次元の紙の上に三次元の物体を表現する為、昔から様々な工夫がなされてきました。しかし、やはりある程度の訓練をしないと正確に立体を把握するには限界がある様に思います。
最近は三次元プリンタが開発され、今までCGと云う表現でしか立体を表現出来なかったものが、実際に手にとってみれるまで技術が発達しています。簡単に立体模型が作れたら建築デザインに革命が起こるでしょう。逆にプリンタの性能限界が、デザインの表現限界になってしまう可能性もありますが。。。

平面を見た時に容易に立体が想像出来る方法として、「様式」が完成されたのだと考えます。4畳半の部屋に炉を切って茶室と書けば、誰もビクトリアン様式の応接間を想像しません。数寄屋普請をイメージするはずです。そうした一つの固定的なスタイルを洗練させていった先に様式美が存在します。

人々を安心させると云う意味で、様式美は重要です。変化・先進性・斬新さの対局にある様式美は、ともすれば古臭く淘汰されてしまう存在と受け取られ、無国籍なデザインが街中に溢れる様になりましたが、様式の美しさは人に安らぎを与え、飽きる事がありません。

ピカソのデッサンを見たことがありますが、まるで写真の様です。写真の様なデッサンの上から、顔の正面と横顔を同じ面に描くと云う発想に至るまでには、どの様な心境の変化があったのでしょう。
デザインを志向する人は、一度「様式」の中に身を置く事も大切かもしません。

この記事を書いたプロ

福味健治

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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