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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

自然に逆らうか自然と調和するか

2013年5月1日

テーマ:【エコ住宅】

コラムカテゴリ:住宅・建物

快適な住まいの造り方は、色々な人が様々な方法を考案しています。
新情報を目にするたびに、内容を観察する習慣がつきました。大別して自然に逆らって快適な空間を確保しようとするものと、自然と調和しながら快適な空間に近づけようとする工夫が見られます。
TPO次第で、どちらが優秀とは言いませんが、逆らう方法は、力任せに環境を制御してしまおうと考えています。それに対し調和する方は、ちょっとしたアイデアを商品化しています。お金はあまり掛かりませんが、全ての場合に同じ結果を得られるとは限らないモノが多い様に見受けられます。
力任せの方法は、どの様な場合でも一定の成果が得られますが、初期コストや維持管理に費用が掛かる様に思います。空気調和の全館空調がその例です。確実に部屋の環境を整えますが、費用は百万単位です。維持管理もハウスダストを撒き散らさない様に常々のメンテナンスが必要となります。
調和する方法では、バイメタルを利用した棟換気があります。棟換気をする場合、棟の換気装置にバイメタルの蓋を仕込んでおき、気温が上がると蓋が開いて室内の熱気を外に逃がし、気温が下がると蓋が閉じて室内の暖かい空気が逃げない様にする装置です。理屈は簡単で面白い方法ですが、全ての場合に100%の効果を発揮出来るのか疑問が残ります。
いずれの場合も、特性を熟知した専門家が、取捨選択しながらその家にベストな方法を選ぶと云うのが賢明な手段です。家の間取りと立体的な構成次第で、簡単な装置でも効果を上げますし、複雑な装置を持ち込んでも効果が期待出来ない場合もあります。断熱材や、開口部の遮光措置等も重要になって来ます。
総合的に考えて、よりコストパフォーマンスの高い家造りを目指しましょう。

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福味健治

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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