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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

床下に排水管を通すのは良くない?

2013年3月18日

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物

最近、床下に排水管を通すと良くないと言われたので、トイレや風呂の排水は直ぐに家の外に出して欲しいと云うリクエストをもらいました。理由を聞くと専門家から水と云った室温と温度差のあるものがあると結露が発生し、家にも人にも良くないと云われたそうです。

果たして本当でしょうか。水しか流れない排水管は確かに温度差が発生します。結露する事もあるでしょう。結露の厄介な事は水が発生することにより周囲の有機物に腐敗菌やカビが発生して、木を腐らせたり胞子が人に悪影響を与えてしまうことです。
床下はどんな環境なのでしょうか?最近はベタ基礎の現場が殆どですので、コンクリート一色の世界です。床組みは木ですが、コンクリートの上に設置される排水管が、直接木に触れる事はありません。排水管自体は塩化ビニルですが、塩化ビニルを餌とするバクテリアは発見されていません。排水管に付着した有機物を餌にカビが発生することは希にはあるでしょうが、ダクトの内部の様に強制的に油や有機物が付着する様な事はありません。
確かに結露するものは排除した方が、無難ですが何を差し置いても排除しなければならないものでもありません。特に水回りが分散している間取りですと、直接路地に排水管を出すことは、基礎にそれだけ穴を開けて断面欠損が増えることであり、地震を考えると極力避けたいことでもあります。
直ぐに路地に排水管を出すか、一本に集中させて一箇所だけ基礎を貫通させるのかは、ケースバイケースの判断になります。

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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