リフォームの一式工事は高いものにつく。

福味健治

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テーマ:【賢い家造り】

リフォーム工事の見積もり書で、良く見かけるのが一式工事の項目です。
一式工事の本来の意味は「何もかもが一切合切」と云う意味ですから、お財布に優しい気がします。でも実はそうではありません。視点を変えて工事する側から一式工事を読み解けば、工事する内要がはっきり判らないから、明細が書けないのです。一見綺麗に見える壁も、中の柱がシロアリに食われているかもしれません。シロアリに食われている柱を無視して工事を進めれば安く済みますが、そんなことをすればクレームの元を作っている様なものです。
ですので、リフォームにおける一式工事の見積もりは、予想される最悪の想定を金額にしたものになるのです。壁を破って柱が何とも無ければ、柱の取り替えに見込んでいた費用はそのまま、工務店さんの儲けになります。

良い見積もりとは、リフォーム工事でもしっかり明細を記載している見積もりの事です。明細を記載する為には壁の中身を調べる必要がありますが、実際は工事前に調査するには限界があります。このような場合は見積もりの条件を、見積もり書に記載します。「仕上げ材の改修は明細の通り計上していますが、内部構造に損傷がある場合は別途見積もり致します」と言った内容です。
工事途上で家が傷んでいれば、別途見積もりが上がってきて工事費が幾らになるか判らないと不安視される気持ちも判らないではないのですが、実はこれが一番親切な見積もりなのです。構造材の別途見積もりの費用は統計的に、築年数に応じて5%〜10%程度のものです。1000万円程度のリフォームでも構造の追加費用が100万円になる事は殆どありません。
工務店さんも構造で追加が発生した場合、追加見積もりが出来ますので、当初見積もりでは価格を抑えた見積もりを書く事が出来ます。一式見積もりは構造が傷んでいる・いないに関わらず、はじめから10%程度構造補強費が見込まれている見積もりと考えてよいでしょう。傷んでいなくても返金されることはなく工務店さんの余剰利益となるお金です。

一式工事の多い見積もりを提出する工務店は用心した方がよいでしょう。

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福味健治
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福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

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