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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

シロアリと木造住宅

2012年5月30日

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物

シロアリ対策はシロアリの特性を知ることから始まります。
羽蟻が飛んでシロアリに気付く事が多いから、飛んできた羽蟻がそのまま家の木が露出している部分に取り付いて木を蝕んでいくと思われがちですが、ヤマトシロアリやイエシロアリは、飛んでいる羽蟻が直接家に侵入することはありません。羽蟻は羽化して一旦は飛んで巣から離れますが、その後は土に潜るのです。土に潜ってそこでコロニー造った後に朽木を求めて移動し始めます。
アメリカからやって来たカンザイシロアリと云う種類のシロアリは、ヤマトシロアリやイエシロアリと違い、直接朽木に取り付くシロアリですが、日本では関東の一部でしか発見されていません。
また、シロアリは光を極端に嫌います。床下の様な薄暗い空間でもそのまま移動することは出来ず、床下から土台まで蟻道(ギドウ)と云うトンネルを造らなければ土台に到達出来ません。
光同様、乾燥も嫌います。水漏れを起こさなくても、結露が発生しやすかった浴室等水廻りもユニットバスの普及で以前ほどシロアリが好む環境では無くなっています。

高気密住宅の普及で、防蟻材が一般的に用いられなくなってきていますが、薬剤に頼ることなく家の性能として、シロアリ対策が求められます。
シロアリが家に侵入する前段階として土の存在が不可欠であることから、家と土を出来るだけ遠避ける事が効果的です。外壁の傍に物置等を置いてしまえば人目につき難い暗いスペースをシロアリに提供することになります。
また、普段あまり目の届かない、路地部分は土のまま残すよりもセメントで塗りつぶす方がシロアリ対策として効果的です。以前は床下からシロアリはやって来ましたが今はベタ基礎の時代ですから床下からシロアリが入り込む余地はありません。
また外壁面も通気層を設けて、構造体を乾燥させておくことも重要です。

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福味健治

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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