秀光ビルドの家に調査に入りました
一般的な木造住宅と2”x4”の違いですが、一般的な木造住宅は軸組工法と云い、柱で屋根や二階の床を支え、柱と柱の間に筋交いと云う斜め材を設けて、それで地震等の横向きの力に抵抗しようとするものです。
2”x4”は柱を用いず、スタッドと呼ばれる桟と合板でパネルを作り、それを床や壁にして組み立てて行く方法です。ですので柱や梁がありません。パネルを工場で生産できて、現場では組み立てるだけなので施工精度が良く、専門職を必要としない為、2”x4”が法律改正で、誰でも建築出来る様になった時は大量に生産されました。
しかし、元々は乾燥したアメリカ大陸で考案された工法ですので、結露によるカビの問題や、結露で釘が錆びてしまって強度不足になる問題等が発覚し、最近では以前ほど出回っていません。
しかし、2”x4”の合理的な考え方は、軸組工法にも大きな影響を与え、面材による剛性の強化やプレカット工法の発展につながっています。現在では2”x4”・軸組工法それぞれが、それぞれの良さを吸収し改良していますので、以前ほどメリットデメリットを端的に指摘することが難しくなっています。あるとすれば、和風住宅を2”x4”で造るのは無理があり、洋風住宅を軸組工法で造ると間が抜けてしまう事でしょうか。
軸組工法で洋風のデザインをよく見ますが、2”x4”で造った家を比較すると縦方向に間延びしています。天井裏の懐の広さが原因で軸組工法では大きな梁を用いる為どうしても天井の懐が大きくなり、間延びしてしまいます。解決策として庇をつけるのですが、その庇がなんともジャパニーズな雰囲気を出してしまいます。
あとデザインの話しをすれば、2”x4”は面材で建物を支える為、縦長の開口が多くなります。壁量を少しでも多く取った方が地震に強くなる為です。軸組み工法も原則は2”x4”と同じなのですが、梁を用いますので比較的横長な開口を設ける場合に有利です。その違いが、引き違い窓と上げ下げ窓の違いとなっています。
軸組工法と2”x4”どちらが良いかと云うお話しに戻りますが、気に入られた工務店さん、デザイン、気候風土、その時点の物価等々で、分かれます。とりあえずはご自分の希望を羅列して、その希望がどちらの工法に合っているのか専門家に選択してもらうことでしょう。