基礎パッキンの効用

福味健治

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テーマ:【賢い家造り】

土台が長持ちするとの理由で、最近は基礎パッキンを用いるのが一般化してきました。
基礎パッキンが主流になってきた理由は、土台の為以外にもう一つあります。基礎が丈夫になると云う考え方です。

アンカーボルトだけでなく、ホールダウン金物を用いる様になって柱と基礎を直接繋げるようになってから、柱に発生する引き抜き力を直接、基礎が負担する様になり地中梁としての役目も負うようになりました。
計算をすれば判りますが、地中梁は背が低いよりも背の高い方が丈夫です。背の高い地中梁が連続する中で床下換気口の部分だけ低ければ、そこに引き抜き応力が集中して、基礎が折れやすくなってしまいます。丁度板チョコを割る時に薄い部分から割れる様なものです。それでなくても玄関廻りや勝手口廻りの様に基礎の立ち上がりを造れない部分があるのですから、出来るだけ余計な凹みはなくして基礎パッキンによって出来る隙間を換気口として利用しようと云う考え方です。

また、木とコンクリートは実はあまり相性が良くありません。熱容量の違いです。コンクリートは良く結露します。梅雨時の学校の廊下等で結露した壁を良く見かけますが、基礎と土台の間でも結露が発生している事は想像に難くありません。基礎コンクリートに発生した結露水を土台の木が吸って濡れているはずです。

桧は濡れっぱなしだったり乾燥し続けていると丈夫なのですが、濡れたり乾いたりを繰り返すのが苦手なのです。仰るように20~30年と云うスパンで考えると結露による濡れ・乾きで相当なダメージを受けることでしょう。

基礎パッキンは樹脂製やステンレス製のものが考案されていますが、長いスパンで考えれば紫外線や酸素により劣化が懸念されます。ただ直射日光の当たるベランダのFRP防水や風雨に晒される屋根の鋼板に比べれば耐候性を懸念するデメリットよりも上記メリットの方が重要かと考えます。

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福味健治(一級建築士)

岡田一級建築士事務所

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