住まい再好築【今どきの家は何故和風住宅が減っているのか】
東日本大震災以降、住宅に求める性能は非常に多様化しています。
大量生産で安価に規格住宅を供給するハウスメーカーの事業展開では多様化に対応出来ません。
そのためか、設計事務所に肌理の細かい対応を求める依頼者から、ご連絡頂ける機会が多くなりました。そこで、設計事務所との契約に至るまでの流れをまとめてみました。
多くの設計事務所はホームページで、自身の作品や住宅に対する考えかたを発表しています。設計事務所のホームページを出来るだけ多くご覧になられて、ご自分と気の合いそうな、設計事務所に問い合わせします。
その際、メールですと匿名性を維持でき、複数の設計事務所に簡単に同じ内容のメールを送る事が可能となります。そして多くの設計事務所はラフプラン無料作成のコーナーを設けています。
無料でも設計事務所がラフプランを引き受けるのには理由がありまして、多様化する依頼者のニーズを把握し、その解決策をアイデアとして蓄積出来る為です。仕事に結びつかなくても、いずれそのアイデアを活かす事が出来るのです。
プランをもらう時、面談されることをお勧めします。そこでホームページの印象と実際の印象に乖離がないか確認するためです。ホームページの多くは設計事務所の所長又は担当者が手作りで作成していますが、最近はプロのホームページ製作会社が作っている場合もあります。プロのウェブデザイナーが表現力豊かにホームページを作成しても、その設計事務所に住宅設計の実力があるとは限りません。面談されると、その違和感が言葉の端々に見え隠れするはずです。
面談の結果、イメージ通りであれば、基本設計を依頼します。
基本設計からがマイホーム実現に向けての第一歩です。
ラフプランは間取り図程度のものですので、それ以上の進展はありませんが、基本設計は平面図・立面図・断面図・仕上げ表から構成され、銀行ローン申し込みに利用出来ます。そして工務店さんに概算見積りを依頼する事も出来ます。
概算見積り書は、正式な見積り書と異なりその金額で工事を請け負う事を約束するものではありませんが、その工務店が今までの実績に基づき凡その値段を算出する訳ですから、資金計画の目安となります。基本設計の費用は、私の場合一律5万円でお引き受けしています。ただし設計契約頂ける方からはこの費用は頂いておりません。
概算見積りがほぼ想定の範囲内で、ローンの内定も下りると設計契約して頂いております。
各種許認可申請及び実施設計業務をこなし工事着手可能な様に準備を始めます。
設計契約は160万円前後です。詳細は下記URLに掲載しています。
http://www.jin.ne.jp/oado/sekkeiryou.html
実施設計図書が完成すると、工務店さんに正式な見積り書の作成を依頼します。
その際、一社では競争原理が発揮出来ませんので、三社程度の競争見積りを行います。
同じ内容での見積もりですから、価格比較が容易になります。
そして、工務店が決定するといよいよ工事着工となります。設計事務所は工事を重点的に監理し工事が設計図書通りに進んでいるかチェックし、建築主になり代わり工務店に改善や是正を指示します。工事途上の役所検査の立会いや使用材料の決定の助言を行います。
竣工検査に立会い、是正報告等の事務処理を済ませ、施主検査を行い引き渡しとなります。
一昨年より、住宅の品質確保促進に基づく法律の規定で建物の主要構造部の10年保証が義務化されています。その為に工務店は10年保証を担保するため、保険に加入するのが当たり前になりました。メンテナンスに関してハウスメーカーと地場の工務店の格差は無くなりつつあります。長期優良住宅や住宅性能評価制度を活用することにより、自分に都合の良い家を、ハウスメーカーよりも安価に手に入れる時代になって来ています。
マイホームは高額物件ですので、有名なハウスメーカーに目が向くのは当然なことです。
プランから建築工事、竣工してからのアフターサービスに至るまでマニュアルが整備されていて、それに従う限り他人任せでマイホームを手に入れる事が出来るからです。
しかし、建築主がお金を支払っているのに、メーカーにとって都合の良い家しか提供してもらえないことに違和感を覚えられる方は、設計事務所に相談することをお勧めします。