木造耐火建築物を建てています。
設計事務所に設計料を払うなんてもったいない、と考えていませんか?
設計料を始末して、建設費に廻したい気持ちも判ります。しかし、設計料を始末した代償は建設費に返ってくるのです。
上の図は設計料を始末して設計と建築工事を一緒にビルダーに依頼した場合の模式図です。
建築に縁の無い方には、自分の希望をビルダーに伝えるのは易しいことではありません。
例えば、漆喰壁の家が良いと思っても、ひび割れのする漆喰壁はクレームの元ですので
ビルダーは施工したくありません。そこで漆喰壁の欠点を、あれこれと建築主に羅列します。
知識の無い素人さんには抗う事は不可能です。
お金を払うのは建築主なのに、建てる側に都合の良い家を押し付けられることになります。
建てる側の論理で構築された家は愛着が沸きません。
新築当初は新しくて、来た人も褒めてくれますが、10年もすると近所に新しい家が
どんどん建ってきて、徐々にみすぼらしく見えてきます。それでも、住宅ローンはまだ
半分も払っていませんので、ローンの負担だけが重く、のし掛かってきます。
資金面の問題ですが、ローン付等ではハウスメーカーに依頼する方が、一般の人がローン申し込み
するよりも、好条件で高額な融資を受けられる可能性があります。しかし、それは工事費の
上昇と同じ意味合いを持ちます。
予算が無い事を伝えても、競争原理が成立しませんので、ビルダーはしっかりと自分の
利益を確保します。
また、複数のビルダーに間取りの提案を依頼しても、各社が異なったの間取りと仕様で提案する為、
同じ条件での見積もり比較が出来ず、結局提案されたどの家が、良いのか悪いのか、判断が出来ません。
結局、営業マンの人柄とか、カタログのイメージだけでマイホームを選んでしまう人が意外に多いのです。
上の図は設計事務所に依頼して、建築工事と分離した場合の模式図です。
夢や希望を設計事務所に話すだけで、設計事務所は建築主の夢を叶える為、知識をフル活動
させて図面化して、建築主に代わって複数の工務店に意図を伝えます。
そして、同じ図面で競争見積りを依頼します。
この場合、競争原理が働きますので、受注したい工務店さんは、他の工務店さんより1円でも
安くしようと経営努力します。
建築主は、同じ間取り・同じ条件で見積り比較出来ますので、業者選定が容易になり
結局、建築主は夢や希望の詰まった家を、安価に手に入れる事が出来るのです。
工務店さんにしてみても、純粋に工事費と経費だけを計上するだけとなり、仕事を受注する為の
宣伝広告費や営業費と云った余分な費用を省略できますので、設計と建築工事を一括で受注
するよりも、安価な見積りが可能になります。
ハウスメーカーの多くは、総工費の3~4割程度を宣伝広告費が占めています。
設計監理費用は160万円前後掛かりますが、総工費で抑える事が出来ますので結局お徳です。
極端な話しをしますが、裁判をする場合、通常弁護士を雇います。
その時、自分で弁護士費用を支払うから安心して任せられるのです。
仮に弁護士が訴訟相手からお金をもらっている事が発覚したら、その弁護士は信用出来ません。
ハウスメーカーによる住宅販売が行われるようになってから、設計と施工を同一業者が行うことが、当たり前の様になりましたが、本来設計事務所(弁護士)に、直接設計(弁護)を依頼せず、工事業者(訴訟相手)に設計(弁護)を任せるのは、それと似たような不条理なことで、建築主と工事業者の間に余程の信頼関係が無い限りお勧め出来るものではありません。