不動産投資で騙されて物件購入をしてしまうパターンとその後
こんにちは、大阪市西区で不動産仲介をしているクレアクロスの重村です。
一棟アパートの購入を検討されているお客様から、先日こんなご相談をいただきました。
「売買契約書の案をもらったら、価格が6,000万円と1行あるだけで、土地と建物の内訳が書いていないんです。これって問題ありますか?」
実はこの「内訳」、購入後の手取りにも、将来売るときの税金にも関わる大事なポイントです。今回は収益物件の《土地と建物の価格の分け方》について、契約前に知っておいていただきたいことを3つにまとめます。
①減価償却できるのは「建物」だけ
不動産投資の経費の中で大きな割合を占めるのが減価償却費です。ただし、償却できるのは建物(と設備)だけで、土地は対象外です。
つまり同じ6,000万円の物件でも、建物がいくらと認められるかで、毎年経費にできる金額が変わります。
さらに中古物件には「簡便法」という耐用年数の計算があります。法定耐用年数をすべて過ぎた建物は「法定耐用年数×20%」となり、木造(法定22年)なら4年で償却します。
仮に建物価格が1,200万円なら年300万円、2,400万円なら年600万円。内訳ひとつで、帳簿上の利益と税金が大きく変わるわけです。
②内訳がないときの考え方と、「高くしすぎ」の注意点
契約書に内訳がない場合、固定資産税評価額の比率で按分する方法が一般的です。また、売主が課税事業者で建物の消費税額が書かれていれば、そこから建物価格を逆算することもできます。
一方で、経費を増やしたいからと根拠なく建物割合を高くすると、税務調査で否認されるおそれがあります。合理的に説明できる数字であることが大前提です。
なお、売主が事業者の場合、建物部分には消費税がかかるため、売主は建物を低めにしたい立場です。買主とは利害が逆になりやすいので、価格交渉と同じタイミングで内訳も話し合っておくのが実務上のコツです。
③償却は「前倒し」。売るときに返ってくる
見落とされがちなのが出口の話です。売却時の譲渡所得では、建物の取得費は減価償却を差し引いた後の金額で計算します。
つまり、早く多く償却した分だけ、売却時の利益(課税対象)は大きくなります。所有期間が5年以下の短期譲渡は税率が約39%と高いため、短期で売る予定なら「償却を多く取れば得」とは限りません。
保有期間と出口のイメージをセットで考えることが大切です。
冒頭のお客様は、固定資産税評価額をもとにした内訳の記載を売主側にお願いし、税理士さんにも試算してもらったうえで契約に進まれました。
まとめ
土地と建物の内訳は、契約書の1行で終わらせてよい話ではありません。
・償却できるのは建物だけ
・内訳は根拠のある方法で決める
・償却は売却時に返ってくる
この3点を押さえ、契約前に不動産会社と税理士の両方に確認してみてください。
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