投資物件を住宅ローンで買うのはなぜダメ?

重村裕一

重村裕一

テーマ:不動産投資

こんにちは。大阪市西区で不動産仲介をしているクレアクロスの重村です。

先日、初めて投資用マンションを検討されている方から、こんなご相談をいただきました。
「別の会社の営業さんに『住宅ローンで買えば金利が安いし、住民票を一度移せば大丈夫』と言われたんですが、本当に問題ないんでしょうか?」

結論からお伝えすると、最初から人に貸すつもりの物件を住宅ローンで買うのは、やめてください。
今回は、その理由と、正しい資金の考え方を3つに分けてお話しします。


①住宅ローンは「自分が住む家」のためのお金です

住宅ローンの金利が低いのは、借りた本人が住む家だからです。返済が止まれば自分の住まいを失うため、返済が優先されやすく、金融機関にとってリスクが低いと見られています。

そのため、住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)には、本人やご家族が居住することが前提条件として定められているのが一般的です。
投資目的を隠して借りると契約違反となり、金融機関から残りの借入金の一括返済を求められるおそれがあります。

実際に2019年には、フラット35を投資目的で不正に利用したケースが問題となり、住宅金融支援機構が一括返済を求める対応をとったことが報じられました。
また、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)も、本人が住んでいることが要件です。「住民票だけ移す」ことは、税務上も正しい使い方ではありません。


②「住んだ後に事情が変わって貸す」場合はどうなる?

ここは誤解されやすいところです。
購入時は本当に住むつもりで、住んだ後に転勤などやむを得ない事情で貸すことになった。これは①のケースとは違います。

ただし、黙って貸すのはNGです。必ず借入先の金融機関に事前に相談してください。
事情によっては、そのまま住宅ローンの継続を認めてもらえることもありますが、金利条件の見直しや、投資用ローンへの借り換えを求められることもあります。
住宅ローン控除も、住んでいない年は原則として適用されません。

「後で貸すかもしれない」という可能性が最初から高いなら、購入前に金融機関と相談しておくのが安心です。


③「住宅ローンで買えますよ」と言う業者には要注意

投資用の物件は、本来アパートローンや投資用ローンで買うものです。金利は住宅ローンより高くなりますが、その金利で収支が回るかどうかを見極めることこそが、投資判断の出発点です。

「住宅ローンなら低金利で回ります」という提案は、物件の収益力の弱さを金利でごまかしているだけかもしれません。
そして万一トラブルになったとき、一括返済を求められるのはローンを借りたお客様ご本人です。勧めた業者が肩代わりしてくれるわけではありません。

大阪市内は投資用の区分マンションの流通が多く、自分で住むか貸すか迷いながら検討される方もたくさんいらっしゃいます。迷っている段階なら、「住む」「貸す」どちらの前提で資金計画を組むのかを、まず整理することをおすすめします。


まとめ

住宅ローンは、住まいを手に入れる方のための制度です。
投資は投資用の資金計画で、無理なく回る物件を選ぶ。遠回りに見えても、これが一番安全な道です。
冒頭のご相談者さまも、投資用ローンで改めてシミュレーションをし直し、ご自身の判断で納得のいく物件選びを進めていらっしゃいます。

融資の可否や条件は各金融機関の判断、税金の具体的な計算は税理士の領域です。不動産会社としては、良いことも悪いことも含めて、正直にお伝えすることを大切にしています。
「この進め方で大丈夫かな?」と少しでも不安に感じたら、お気軽にご相談ください。

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重村裕一
専門家

重村裕一(宅地建物取引士)

株式会社クレアクロス

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