投資用ローンの審査基準、実は変わった?
「築40年、利回り15%」――投資物件の広告でこうした数字を見ると、つい心が動くものです。私も大阪市内で数多くの収益物件のご相談を受けてきましたが、築古物件は入口の利回りだけで判断すると、出口(売却時)で思わぬ苦労をすることがあります。今日は築古物件投資のリスクと、買う前に考えておきたい出口戦略についてお話しします。
①高利回りの正体を見抜く
築古物件の利回りが高いのは、建物の価値がほとんどゼロに近く、土地値に近い価格まで下がっているからです。裏を返せば、それだけ修繕や設備更新のリスクを抱えているということでもあります。給排水管の老朽化、屋上防水、外壁、シロアリ――こうした大規模修繕は数百万円単位になることも珍しくありません。広告の「表面利回り」には、これらの費用も、空室期間も、管理費も含まれていません。実質の手取りで見ると、数字は一気に現実的なものになります。
②「売りたくても売れない」出口のリスク
築古物件で最も見落とされがちなのが、売却時の融資の壁です。金融機関は建物の法定耐用年数(木造22年・RC造47年など)を基準に融資期間を判断する傾向があり、耐用年数を超えた物件は、次に買う人がローンを組みにくくなります。買い手が現金購入者や一部の投資家に限られると、売り急ぐほど価格を下げざるを得ません。「自分は現金で買えても、次に売る相手が融資を使えない」――この視点を持てるかどうかで、出口の景色が変わります。
③買う前に出口を描いておく
築古物件投資が悪いわけではありません。土地値が底堅いエリアを選べば、建物価値がゼロになっても土地として売却できますし、更地にして活用する道も残ります。大阪でも、駅近や再開発が見込まれる立地なら、築古でも十分に戦えます。大切なのは、購入時点で「いくらで、誰に、どう売るか」という出口を具体的に描いておくこと。保有中のキャッシュフローと、売却時の回収、この両輪で採算を考えることが、築古投資で失敗しないための土台になります。
まとめ
築古物件は、高利回りという魅力と、修繕・出口という難しさが表裏一体です。入口の数字だけでなく、10年後・20年後に自分がどう手放すかまで見据えて判断してください。個別の物件で迷われたときは、土地値やエリアの将来性も含めて、遠慮なくご相談いただければと思います。


