空家を相続し、名義変更をせずにそのままにしておくことの問題点
こんにちは。大阪市西区の不動産会社クレアクロスの重村です。
ご実家を相続された方から「四十九日も終わったので、すぐに売り出したい」というご相談をよくいただきます。
早めに動くのは良いことなのですが、売る時期によっては相続税が大きく変わることがあります。
今回は、相続税の「小規模宅地等の特例」と売却のタイミングについてお話しします。
①土地の評価が8割減る「小規模宅地等の特例」
亡くなった方が住んでいた自宅の土地は、一定の要件を満たすと、330㎡までの部分について相続税の評価額を80%減らせます(租税特別措置法69条の4)。
たとえば評価額5,000万円の土地なら1,000万円で計算できるため、相続税がかかるかどうかの分かれ目になるほど大きな制度です。
大阪市内は土地の評価が高くなりやすく、影響も大きくなります。
ただし、使えるかどうかは「誰がその土地を相続するか」で決まります。
・配偶者が相続する場合:保有や居住の継続は要件になりません
・同居していた親族が相続する場合:相続税の申告期限まで住み続け、かつ保有し続けることが必要です
・別居の子(いわゆる「家なき子」)が相続する場合:配偶者や同居の相続人がいないこと、相続開始前3年以内に自分や配偶者などの持ち家に住んでいないこと等に加え、申告期限まで保有し続けることが必要です
②申告期限の「10か月」より前に売ると使えないことがある
相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月です。
同居親族や家なき子の場合、この期限より前に売却して引き渡してしまうと、特例が使えなくなります。
以前、お父さまのご自宅を相続された別居のご長男から「買い手がいるなら早く売りたい」とご相談をいただきました。
税理士の先生に確認していただいたところ、家なき子として特例の対象になり得るとのこと。
そこで、査定や片付け、境界の確認など売却の準備は進めつつ、売買契約と引渡しは申告期限の後に設定しました。
相続した空き家を売るときの3,000万円特別控除(空き家特例)は、要件を満たせば小規模宅地等の特例と併用できるため、両方を活かす順番で進めることができました。
③「申告しないと使えない」「分け方が決まらないと使えない」
注意したいのは次の3点です。
・特例を使った結果、相続税がゼロになる場合でも、申告書の提出が必要です
・申告期限までに遺産分割がまとまっていない土地には、原則として適用できません。「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておけば、3年以内に分割が決まった時点で更正の請求により適用を受けられます
・亡くなった方が老人ホームに入っていた場合でも、要介護認定などを受けての入所で、自宅を貸していないなどの要件を満たせば対象になり得ます
まとめ
相続した実家の売却は「いくらで売るか」だけでなく、「誰が相続して、いつ売るか」で手元に残るお金が変わります。
売り出しを決める前に、相続税の申告期限と特例の要件を税理士の先生と確認し、その日程に合わせて売却の段取りを組むことが大切です。
クレアクロスでは、税理士・司法書士と連携しながら、相続した不動産の売却スケジュールを一緒に考えています。「まだ売るか決めていない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
※特例の適用可否は個別の事情で異なります。最終的な判断は税理士にご確認ください。
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