仲介手数料は交渉できるのか?現場のリアル
「大手だから安心だと思って」
「駅前にきれいな店舗があったので」
不動産会社を選ぶとき、多くの方が見ているのは看板と店構え、そして担当者の印象です。もちろんそれも大事な判断材料ですが、実はご自身のパソコンやスマホから、数分で調べられる公的な情報がいくつもあります。
今回は、面談の前に自分で確認できる「不動産会社の調べ方」を3つご紹介します。紹介や広告からしか情報が入ってこない状況を、少しだけ自分の手に取り戻すための話です。
①免許番号のカッコの数字は「営業年数」を表す
不動産会社の広告やホームページの隅に、必ずこんな表記があります。
「大阪府知事免許(3)第〇〇〇〇〇号」
「国土交通大臣免許(2)第〇〇〇〇号」
これは宅地建物取引業の免許番号です。まず「知事免許」と「大臣免許」の違いですが、これは会社の規模や優劣ではなく、事務所の所在地の話です。一つの都道府県内にだけ事務所がある場合は知事免許、二つ以上の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣免許になります。大阪だけで営業している会社は知事免許で、それが普通のことです。
注目していただきたいのはカッコの中の数字です。宅建業の免許は5年ごとの更新制で(1996年以前は3年)、更新するたびにこの数字が1つ増えます。つまり(1)なら免許を受けてから5年以内、(3)なら概ね10年から15年ほど営業を続けている計算になります。
ただし、この数字が大きいほど良い会社だという単純な話ではありません。数字が小さくても、経験豊富な方が独立して立ち上げたばかりの会社であれば力量は十分ということもあります。逆に数字が大きくても、扱ってきた分野がご自身の相談内容と違えば力になれないこともあります。
それでも、初めて名前を聞いた会社のチラシが届いたとき、この数字を一目見るだけで「設立して間もない会社なのか、長く続いている会社なのか」という輪郭はつかめます。そして免許番号がどこにも書かれていない広告があれば、それは宅建業法上の表示義務を満たしておらず、その時点で慎重になるべきサインです。
②行政処分の履歴は、国土交通省のサイトで誰でも調べられる
これはあまり知られていないのですが、国土交通省は「ネガティブ情報等検索サイト」というページを公開しており、宅地建物取引業者が受けた行政処分(免許取消・業務停止・指示処分)の履歴を、誰でも無料で検索できます。
処分を受けた会社名・処分の内容・理由が掲載されており、掲載期間は一定期間に限られますが、会社名を入れて何も出てこないという事実を確認できるだけでも、安心材料の一つになります。
あわせて、各都道府県の宅建業免許を担当する窓口(大阪府であれば建築振興課)では、その業者の「宅地建物取引業者名簿」を閲覧することができます。ここには免許の履歴、事務所の所在地、専任の宅地建物取引士の氏名、過去の処分歴などが記載されています。
大きな金額が動く取引を任せる相手です。家電を一つ買うときに口コミを調べるのと同じくらいの手間はかけていただいて構いませんし、調べられて困る会社ではいけないと私は思っています。
③「専任の宅建士」と「保証協会」という2つの後ろ盾
もう一つ、店舗に入ったときに確認できることがあります。
一つは宅地建物取引士の配置です。宅建業法では、事務所ごとに業務に従事する者5人に1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置くことが義務づけられています。重要事項説明は宅建士でなければ行えませんから、これは形式的な決まりではなく、説明の質に直結します。担当者の方が宅建士かどうか、違う場合は誰が重要事項説明をしてくれるのか、聞いてみて嫌な顔をされることはまずありません。
もう一つは、店舗に掲示されている標識や、営業保証金・弁済業務保証金分担金に関する表示です。宅建業者は営業保証金を供託するか、保証協会(全国宅地建物取引業保証協会、いわゆるハトのマーク/不動産保証協会、ウサギのマーク)に加入して弁済業務保証金分担金を納めることが義務づけられています。万一その会社との取引で損害を受けた場合に、一定の範囲で弁済を受けられる仕組みです。店舗によく掲げられているハトやウサギのマークは、単なる業界団体のロゴではなく、この制度に加入している証でもあります。
なお、この弁済の対象になるのはその業者との取引によって生じた債権で、上限額も定められています。何でも補償される制度ではない点は、正しく知っておいていただきたいところです。
まとめ
大阪市内は不動産会社の数が非常に多く、扱う分野も規模もさまざまです。それだけに「どこに相談すればいいか分からない」というお声をよくいただきます。
今日お伝えしたかったのは、会社選びは印象だけで決めなくてもいい、ということです。免許番号の数字、行政処分の履歴、専任の宅建士と保証協会。この3つは相手に気を遣わずに、ご自身で静かに調べられます。
そのうえで最後に効いてくるのは、やはり人です。調べた内容を率直にぶつけてみて、正面から答えてくれるか、はぐらかすか。それが一番はっきりした判断材料になると思います。
私自身、お客さまから「御社の免許番号を見ました」と言われて、嬉しく感じたことがあります。ご自分で調べて、そのうえで選んでくださった方だということですから。
▼お問い合わせは公式LINEから
ご相談・お問い合わせは、こちらの公式LINEよりお気軽にどうぞ。
公式LINEでお問い合わせ
▼あわせて読みたい不動産業者選びのコラム
今の不動産会社、途中で変えられる?
「囲い込み」する不動産会社の見分け方


