生前贈与で不動産を渡す前に知るべき3つの注意点
不動産の生前贈与を検討される方から、最近とくに増えているのが「相続時精算課税って、結局お得なんですか?」というご質問です。2024年(令和6年)の改正で使い勝手が大きく変わり、実家などの不動産を渡す手段として、あらためて注目されています。今回は制度の仕組みと改正点を、大阪で仲介の現場に立つ立場から整理します。
①そもそも相続時精算課税とは
原則60歳以上の父母・祖父母から、18歳以上の子・孫へ贈与するときに選べる制度です。累計2,500万円までの贈与に贈与税がかからず、超えた分は一律20%。ただし名前のとおり「精算課税」で、贈与した財産は最終的に相続財産へ合算して相続税で精算します。一度選ぶと同じ贈与者からの暦年課税には戻れない、という点が最大の注意点でした。
②2024年改正の目玉「年110万円の基礎控除」
改正で、相続時精算課税にも毎年110万円の基礎控除が新設されました。ポイントは、この110万円以内の贈与は申告不要で、しかも将来の相続財産に足し戻されないことです。従来は「少額でも全額を相続時に精算」でしたが、改正後は毎年コツコツ渡す部分が相続税の対象から外れます。実家の持分を少しずつ移すような場面と、相性がよくなりました。
③暦年課税の「持ち戻し」は7年へ延長
一方、通常の暦年贈与は、亡くなる前の一定期間の贈与を相続財産に加算する「生前贈与加算」が、従来の3年から7年へ段階的に延長されました。つまり「駆け込みの暦年贈与」は効きにくくなり、早めに動くか、精算課税の110万円枠を使うか、という判断が重要になっています。
まとめ
どちらが有利かは、財産の規模・年齢・渡したい不動産の種類で大きく変わります。相続時精算課税は一度選ぶと撤回できないため、不動産の評価額や将来の相続税まで見据えた設計が欠かせません。税額の最終判断は税理士と連携しますが、「どの不動産を、どの順で、誰に渡すか」という道筋づくりは私たちの得意分野です。迷ったら、動く前にご相談ください。
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