連帯保証人がいる家、任意売却はどう進める?

重村裕一

重村裕一

テーマ:不動産の任意売却

住宅ローンが払えなくなり任意売却を考えるとき、意外と見落とされがちなのが「連帯保証人」の存在です。ご自身が売却で頭がいっぱいのなかでも、保証人になってくれた親御さんやご兄弟、元配偶者への影響を抜きに話は進められません。大阪の現場でも、ここを後回しにしたばかりに人間関係が壊れてしまうケースを見てきました。今回は連帯保証人がいる場合の任意売却の進め方を整理します。

①まず「連帯保証人」と「連帯債務者」の違いを確認する

一口に保証人といっても立場は異なります。連帯保証人は主債務者が返せないとき肩代わりを求められる立場で、催告の抗弁や検索の抗弁を持たず、債権者から直接請求されても拒めません(民法454条)。一方、連帯債務者はそもそも自分も借りた当事者で、返済義務を等しく負います。住宅ローンの契約書やペアローンの内容を見て、保証人がどちらの立場なのかをまず正確に把握してください。ここを取り違えると、その後の交渉も残債の話も食い違ってしまいます。

②任意売却には連帯保証人の協力・同意が欠かせない

任意売却は競売と違い、債権者との合意のうえで進める売却です。売却後も残債務が残る場合、その返済には連帯保証人も関わってきます。そのため実務上、金融機関は連帯保証人の同意や意向確認を求めるのが一般的です。黙って話を進めても、いずれ残債の請求という形で保証人に事態が伝わり、「聞いていない」という不信につながります。つらい話ほど、早い段階で正直に状況を共有し、一緒に返済計画を考える姿勢が信頼を守ります。

③残債務の負担をどう分けるか、事前に話し合う

任意売却をしても住宅ローンを返しきれない場合、残った借金は主債務者と連帯保証人が返していくことになります。ここで大切なのは、債権者やサービサーとの分割返済交渉に、可能なら連帯保証人も一緒に臨むことです。誰がいくら負担するのか、無理のない月額はいくらか。これを曖昧にしたまま進めると、後で保証人に一括請求が及びトラブルになりかねません。離婚に伴う売却で元配偶者が連帯保証人のままというケースも多く、保証人を外す交渉には金融機関の承諾が必要で簡単ではない点も、あらかじめ理解しておきたいところです。

まとめ

連帯保証人がいる任意売却は、法律の手続き以上に「人への向き合い方」が問われます。立場を正確に確認し、早めに状況を共有し、残債の負担まで一緒に考える。この順番を守るだけで、後々のトラブルは大きく減らせます。返済に不安を感じ始めた段階で、任意売却の実績がある不動産会社や専門家に相談してください。早く動くほど、あなたにも保証人になってくれた大切な方にも、選べる道が多く残ります。

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重村裕一
専門家

重村裕一(宅地建物取引士)

株式会社クレアクロス

大阪で相続不動産の売却・活用に悩むならご相談ください。IT企業出身の異色キャリアを持ち「不動産で損する人をなくしたい」という信念のもと、相続・売買・賃貸・投資まで不動産全般を一貫サポートします。

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