任意売却ができたとして残債務が残る場合はどうなるの?
住宅ローンの返済が厳しくなったとき、「任意売却」という選択肢があることをご存じでしょうか。
私は大阪で不動産仲介業を営む中で、住宅ローンの返済にお困りの方からご相談をいただくことが少なくありません。「もう競売にかけられるしかないのでは」と思い詰めてご連絡くださる方もいらっしゃいますが、実は競売の前に検討できる方法があります。
今回は、任意売却と競売の違いについて、実務の現場からお伝えします。
①任意売却とは何か
任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に、金融機関(債権者)の同意を得たうえで、通常の不動産売買と同じ方法で物件を売却する手続きです。
競売と大きく異なるのは、売主様ご自身の意思で売却活動を進められる点です。市場価格に近い金額で売却できる可能性が高く、競売と比べて手元に残る金額が多くなるケースが一般的です。
ただし、任意売却を進めるには債権者である金融機関の合意が必要です。「自分の家だから自由に売れる」というわけではない点にはご注意ください。
②競売との具体的な違い
競売は裁判所の手続きによって強制的に行われる売却です。主な違いを整理すると、以下の3点が挙げられます。
まず売却価格です。競売では市場価格の6〜7割程度になることが多いのに対し、任意売却では市場価格に近い金額での売却が期待できます。
次にプライバシーの問題です。競売になると裁判所の公告やインターネット上に物件情報が掲載されるため、ご近所に知られてしまう可能性があります。任意売却であれば、通常の売却と同じ形で進められます。
最後に引越しの時期です。競売では落札後に明け渡しを求められますが、任意売却では買主様との交渉により、引越し時期に一定の融通が利く場合があります。
③任意売却を検討する際の注意点
任意売却には期限があります。競売の手続きが進んでしまうと、任意売却ができなくなります。大阪地方裁判所の場合、競売開始決定後でも入札期日の前であれば任意売却が認められるケースはありますが、早めのご相談が重要です。
また、任意売却後もローンの残債が残る場合があります。売却代金で返済しきれなかった分については、金融機関と返済方法を協議することになります。無理のない返済計画を立てることが大切です。
私がこれまでお手伝いしたケースでも、早い段階でご相談いただいた方ほど、選択肢が多く、より良い条件で解決できています。
まとめ
住宅ローンの返済でお悩みの方にとって、任意売却は競売を回避できる有力な選択肢です。ただし、時間的な制約がありますので、返済が厳しいと感じた段階で早めに専門家にご相談されることをお勧めします。
一人で抱え込まず、まずは信頼できる不動産会社や弁護士に話を聞いてみてください。状況に応じた最善の方法を一緒に考えることができます。


