経営理念による「ブランディング効果」
企業理念をつくるとき、覚えやすい言葉や個性的な表現を探したくなることがあります。多くの人に伝わる言葉に整えるのは大切です。
ただ、表現にこだわりすぎると、理念づくりが「言葉探し」になってしまうことがあります。その結果、本来向き合うべき問いから離れてしまうかもしれません。
時間をかけるべきなのは、文章をまとめるところではない
理念づくりで時間をかけるべきなのは、文章をまとめるところではありません。「私たちは何のために存在する会社なのか」を、関係者で話し合うところです。
会社の歩みを振り返り、日々の仕事で大切にしてきたことを確かめる。お客様や社会に届けたい価値を考える。そうした対話を通じて、会社の根にある想いが見えてきます。
話し合いの中で、意見がすぐに一致しないこともあります。それはマイナスなことではありません。立場や経験の違いを持ち寄ることで、そこから気づけることもあるはずです。
印象的な言葉が、理念の目的ではない
先に印象的な言葉を決めると、その言葉に合う理由をあとから探したり、会社の実態を無理に当てはめたりしてしまうことがあります。
覚えやすい言葉でも、従業員が自分の仕事と結びつけられなければ、日々の判断や行動を支えにくくなります。
大切なのは目新しさよりも、会社が大切にしてきた想いを表しているかどうかです。その言葉を選んだ理由を、自分たちの経験から語れるか確かめましょう。
会社を見つめ直し、言葉にする
理念を考えるときは、次のような問いを重ねていきましょう。
1.私たちは、どんな人や社会の課題に向き合ってきたのか
2.仕事を通じて、何を大切にしてきたのか
3.これからも守りたいこと、変えていきたいことは何か
4.その考えは、迷ったときの判断につながるか
根本にある想いが見えてきたら、それを伝わる言葉に整えます。その言葉が従業員の仕事と結びつき、迷ったときの判断を支えられるかも確かめたいところです。
企業理念の策定は、文章をつくるだけの作業ではありません。自分たちは何者で、何のために存在し、これからどこへ向かうのか。会社を見つめ直す作業です。
言葉を探しながら、最初の問いを見つめ直す。その繰り返しの時間が、会社の日々を支える理念策定につながっていきます。
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