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理念づくりを「言葉探し」にしてはいけない

田丸伸二

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テーマ:企業理念

企業理念をつくるとき、覚えやすい言葉や個性的な表現を探したくなることがあります。多くの人に伝わる言葉に整えるのは大切です。

ただ、表現にこだわりすぎると、理念づくりが「言葉探し」になってしまうことがあります。その結果、本来向き合うべき問いから離れてしまうかもしれません。

時間をかけるべきなのは、文章をまとめるところではない

理念づくりで時間をかけるべきなのは、文章をまとめるところではありません。「私たちは何のために存在する会社なのか」を、関係者で話し合うところです。

会社の歩みを振り返り、日々の仕事で大切にしてきたことを確かめる。お客様や社会に届けたい価値を考える。そうした対話を通じて、会社の根にある想いが見えてきます。

話し合いの中で、意見がすぐに一致しないこともあります。それはマイナスなことではありません。立場や経験の違いを持ち寄ることで、そこから気づけることもあるはずです。

印象的な言葉が、理念の目的ではない

先に印象的な言葉を決めると、その言葉に合う理由をあとから探したり、会社の実態を無理に当てはめたりしてしまうことがあります。
覚えやすい言葉でも、従業員が自分の仕事と結びつけられなければ、日々の判断や行動を支えにくくなります。

大切なのは目新しさよりも、会社が大切にしてきた想いを表しているかどうかです。その言葉を選んだ理由を、自分たちの経験から語れるか確かめましょう。

会社を見つめ直し、言葉にする

理念を考えるときは、次のような問いを重ねていきましょう。
1.私たちは、どんな人や社会の課題に向き合ってきたのか
2.仕事を通じて、何を大切にしてきたのか
3.これからも守りたいこと、変えていきたいことは何か
4.その考えは、迷ったときの判断につながるか

根本にある想いが見えてきたら、それを伝わる言葉に整えます。その言葉が従業員の仕事と結びつき、迷ったときの判断を支えられるかも確かめたいところです。

企業理念の策定は、文章をつくるだけの作業ではありません。自分たちは何者で、何のために存在し、これからどこへ向かうのか。会社を見つめ直す作業です。

言葉を探しながら、最初の問いを見つめ直す。その繰り返しの時間が、会社の日々を支える理念策定につながっていきます。

※テーマ別コラム
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コンプライアンス・ハラスメント教育
企業理念

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田丸伸二
専門家

田丸伸二(中小企業診断士)

たまる中小企業診断士事務所

30年以上の管理部門経験を持つ中小企業診断士が、中小企業の内部統制・リスクマネジメント・コンプライアンス教育を支援。ガバナンスを整え、中小企業の経営改善と持続的成長を実現します。

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