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「念のため」が会社の仕事を増やしていませんか?

田丸伸二

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テーマ:リスク管理・リスクマネジメント

前回、9月25日のコラム「業務効率化は『やめる』ことから~その仕事、本当に必要ですか?」では、業務効率化の第一歩として、「今やっている仕事を本当に続ける必要があるのか」と見直すことについて書きました。
今回は、その中でも特に身近な「念のため」という部分に焦点を当ててみたいと思います。

「念のため」は便利な言葉

「念のためコピーしておこう」
「念のため、二人で確認しておこう」
「念のため、資料を作っておこう」
会社の中では、この「念のため」という言葉がよく使われます。
もちろん、慎重な確認が必要な仕事もあります。しかし、「念のため」という理由だけで、いつの間にか続いている仕事もあるのではないでしょうか。

実は、「念のため=安全」とは限りません。

「念のためコピー」が新しい仕事を生む

例えば、重要な書類を「念のため」と紙でコピーし、さらにPDFでも保存する。
一見すると、万一に備えた安全な対応に思えます。
しかし、紙の書類を保管する場所が必要になり、PDFの保存先も管理しなければなりません。保存したものを後から探す作業も発生します。
「念のため」によって増えた作業が、本来やるべき仕事の時間を奪っているとしたらどうでしょう。

「念のため二人で確認」は本当に必要?

「ミスを防ぐため、必ず二人で確認する」というルールもあります。
重要な業務であれば、二重チェックは有効でしょう。
一方で、ほとんどミスが起きない定型的な作業まで、毎回二人で確認していたらどうでしょうか。
作業する人だけでなく、確認する人の時間も使います。
しかも、確認する側が「いつものことだから」と形式的にチェックしているだけなら、本当にリスクを減らしているとは言えません。

大切なのは「二人で確認すること」ではなく、「何のミスを防ぐために確認するのか」を考えることです。

「念のための資料」が増えていないか

会議資料でも、「質問されたら困るから、念のため詳しい数字まで入れておこう」と考えることがあります。
その結果、何ページもの資料ができ上がったものの、実際の会議で使われるのは一部だけ――。
これでは、資料を作る人だけでなく、読む人の時間も使ってしまいます。

「念のため」が、会社全体の仕事を増やしている可能性があるのです。

「何のため?」と問い直してみる

「念のため」という言葉が出てきたら、一度、
「何のために必要なのか?」
と問い直してみてはいかがでしょうか。

「ミスを防ぐため」なら、どんなミスを防ぎたいのか。
「万一に備えるため」なら、その可能性はどの程度あるのか。

必要な「念のため」までなくす必要はありません。
しかし、理由が曖昧なまま続いている「念のため」があれば、やめる、簡単にする、頻度を減らすといった見直しができるかもしれません。

仕事を増やせば増やすほど、安全になるわけではありません。
「念のため」という言葉をきっかけに、自社の仕事を一度見直してみてはいかがでしょうか。

※テーマ別コラム
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田丸伸二
専門家

田丸伸二(中小企業診断士)

たまる中小企業診断士事務所

30年以上の管理部門経験を持つ中小企業診断士が、中小企業の内部統制・リスクマネジメント・コンプライアンス教育を支援。ガバナンスを整え、中小企業の経営改善と持続的成長を実現します。

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