経営理念~外部環境が変わっても
きれいな言葉だけでは、伝わらないことがある
企業理念を考えるとき、辞書に載っているような美しい日本語や、整った表現を探したくなることがあります。もちろん、言葉を磨くことは大切です。
けれど、きれいに整えることを優先しすぎると、どの会社にも当てはまる表現になってしまうことがあります。理念を読んでも、自分たちの仕事や会社の姿が思い浮かばない。そんな言葉では、従業員の心にも残りにくいでしょう。
少し不格好でも、その会社で働く人が「これは自分たちらしい」と感じる言葉の方が、深く伝わることがあります。
言葉は、会社の中にある
では、「会社らしい言葉」はどこから探せばよいのでしょうか。
手がかりは、日々の仕事の中にあります。お客様に繰り返し伝えていること。難しい場面で、従業員が迷った末に選んだ行動。創業時から大切にしてきた習慣。従業員同士の会話に、何度も登場する言葉。
そうした場面を振り返ると、その会社が何を大切にし、何を譲らずにきたのかが見えてきます。理念の言葉を先に決めるのではなく、具体的な出来事から考えてみるのです。
たとえば「誠実」という言葉を掲げるだけでは、意味が広く、受け取り方も人によって異なります。けれど、「できないことは、できないと早く伝える」という行動が会社の中で大切にされているなら、そこにはその会社ならではの誠実さが表れています。
磨くときに、残したいもの
見つけた言葉やエピソードを、そのまま理念にする必要はありません。従業員で話し合い、伝わりやすい表現に整えていくことも必要です。
ただし、整えるうちに、もともとの実感まで消してしまわないようにしたいものです。立派に聞こえる言葉に置き換えるより、「なぜその行動を大切にしてきたのか」が伝わる言葉を残す。その方が、理念は日々の判断に結びつきます。
会社らしさは、辞書の中から見つかるものではありません。従業員の言葉や仕事の積み重ねをたどり、「自分たちは何を大切にしてきたのか」を確かめる。その先に、会社の中で長く使われ、心に残る言葉が見つかるのではないでしょうか。
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