知らないうちにかかるマインドコントロール

宮本章太郎

宮本章太郎

人には誰か、他の人の期待に応えようとする性質があります。

例えば人の命がかかったような状況の場合
頑張れと言われれば、本人は出来る限りその声に応えようとするわけですね。

マラソンなんかで、倒れそうなギリギリのところで一生懸命走ってても
沿道からガンバレの声援をもらえば再び力をもらえたりします。
その結果がどうとか、良いか悪いかは別ですよ。

人は期待に応えようとすると同時に
迷惑をかけちゃいけないという風にも考えます。
これはむしろ、期待に応えたいからこそ
迷惑をかけちゃいけないんだという風に考えてしまうんですね。

迷惑をかけちゃ期待に応えられない、申し訳ないと
このように思ってしまうわけです。

そしたらそれが、期待に応えられないという重圧に変わっていけば
ストレスにより、やがて心の病へと繋がってしまいます。

誰もあなたに対し、そうなるまでの期待をしてるわけではありません。

人の期待に応えるとは、相手の思い通りになるという事じゃないんですね。
相手はただ単に、純粋にあなたを応援してくれてるのです。

純粋な応援じゃない期待は期待ではなく
あなたに対する要求です。
こうしろああしろと自分の思うように操りたいだけの命令であり
あなたをコントロールしようとしてるんですね。
つまり支配です。
(必ずしも本人が意図してやってるとは限りません)

そこに反発心が生まれればイザコザ問題へと進展していきます。

しかし人は期待に応えようとする性質がありますから
相手のために自分が何かしなければならないという風に捉えてしまいます。
そうすると普段以上に力を発揮しなければいけなくなる。
これがストレスになってくると悩みへと変わってしまうんですね。

期待に応えなければという、一種のマインドコントロールであり
自分でもよくわかってない内にこのような状態に陥ってるという場合もあります。
どこか違和感があっても、それを変だなと思い過ごすだけで
結局は相手の言いなりになってて、自分でも気づいてない状態です。

ですがこのマインドコントロールも逆に言ってしまえば
人から純粋な応援をされる事によって
普段以上の力を発揮出来るとも考えられますから
決して悪い方にだけ働くというものではありません。

あなたは無理に人の期待に応えようとしてませんか?
それが悩みになってませんか?

ものには程度というものがあります。
個人で頑張れる力には限界がありますし
その限界を知って物事に向き合っていかない事には
ただ苦しいだけの人生を歩み続けなければならないのかもしれませんね。

ちょっと例えや聞こえは悪いかも知れませんが
それを上手く利用したり考え方の観点を変えるという意味では
心理カウンセリングでも使える技法じゃないかと私は考えます。
決して悪い用途としてではなく
あくまで良い方向に向かっていくような使い方としてね。



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宮本章太郎(心理カウンセラー)

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