書籍「時間の始まり 宇宙はこうして始まった ~宇宙の起源にまでさかのぼる時間の仕組み~」出版情報
私には心を割って話の出来る知り合いが何人かいるんですね。
しかしそれらの知り合いとは
今はもう普段は全くと言っていいほど
直接会って話す事もありません。
メールでのやり取りもありませんね。
以前はよく話してましたが
いつもいつも、真剣な腹を割った話をしてたわけではありません。
毎日顔を合わせてても
しょうもない話や冗談など
どうでもいい事ばかり話してましたね。
だけど人が真面目に話してれば真面目に聞いてくれますし
あまり硬くなり過ぎないように冗談を交えたりもしながらですが
お互いに話しやすい環境にありました。
でね、皆さんカウンセリングででも
人が深刻に悩んでるような場合
解決するまでその人にずっと寄り添って
毎日毎日相談に乗ってあげた方がいいんじゃないかと思いませんか?
実はこれ、逆効果なんですね。
悩みを抱えてる人と日々を共にするほどまでに
べったりとくっ付き過ぎてると
お互い様々な弊害に悩まされる事になるんです。
どんな弊害があるのかは
細かく挙げると限がありませんし
ケースによっても違ってきますので
こうなりますとは言えないのですが
弊害の中の一つに、依存症の傾向も見られるようになります。
つまり、常に相談相手が側にいなければ不安になりますし
相談に乗る側も、その人の事がいつも心配でならなくなります。
心を開いて相手に全て委ねるという事が
必ずしも良い結果になるとは限らないんですね。
どんなに深刻であっても
お互いに距離を取らなければなりません。
適切な距離を置く事が
べったりと寄り添うより効果的なのです。
これは心理的な事なので
ここで難しく考える必要はありません。
なぜその方がいいのかは
心理学の専門分野の話になりますから。
このような事情から
心理カウンセリングでもある程度の期間を置くようにしてるんですね。
私のところではカウンセリングの効果を高めるためと
クライエントさんの利便性のために
月額制でのカウンセリングも導入してるんですが
それでも毎日会ってのカウンセリングはしないようにしてるんです。
なぜかと疑問のある方には
直接カウンセリングの時にお話させていただきますが
これはわざと一定の期間を置くようにしてるんですね。
突き放したいわけでもイケズでもありません。
私にも腹を割って話せるような知り合いがいると話しました。
しかしいくら腹を割った話が出来るといっても
毎日毎日そんな話ばかりしてたわけではありません。
考えてみてください。
お互いどんな仲であろうと
常に深刻な話ばかりだとどうなるでしょうか?
べったりと付き添って
ずっと相手に悩みを打ち明け続けて
それでほんとに悩みが解決するでしょうか?
そしたら相手が聞いてくれなくなったらどうしましょう?
うんざりして聞きたくないからではなく
何か聞けなくなった事情があっての事かもしれません。
私と知り合いの話では
お互いに適切な距離を保ってたからこそ
いざ真剣な話をする時に
お互い身を入れて話を出来たのではないかと思います。
でないとお互い疲弊してしまい
また違う悩みにどっぷり浸かってた事でしょう。
人間関係には居心地の良い適切な距離があります。
近すぎても遠すぎても互いに身を滅ぼしてしまうのです。
問題の解決なんて到底出来たものではありません。
なぜカウンセリングには期間を置くのか。
もしかしたら突き放されたんじゃないか。
いろいろ思う事もあるでしょう。
しかしちゃんとした考えに基づいて
心理カウンセリングは行われています。
私のところだけではないはずです。
どういうカウンセリングルームでも
必ず次回までのカウンセリングに期間を設けてます。
そしてクライエントさんは
その期間の間にいろいろと整理していただきたいのです。
何気なく過ごしてるんじゃなくて
いろんな事に意識を向けてほしい。
自分の心と向き合ってほしい。
単に日々を暮らしてるだけでは
やはり苦しくなったらカウンセリングに頼ればいいという
いつまで経っても依存した考えから抜け出せなくなりますよ。
心理カウンセラーとの関係も泥沼化してしまいます。
どうか誤解なさらないように
どうしてそういう方法がとられてるのか
一度あなたご自身で体験してみてください。
その中で疑問も生まれてくるかもしれません。
その時は自分の頭の中だけで考えないで
心理カウンセラーとしっかりご相談くださいね。
ご意見ご感想、あなたの聞きたい事を聞かせてください。
メールでけっこうですよ。
必ず目を通します。
また、こんなテーマで書いてほしいというご希望も
併せてお待ちしてます。