親しき仲にも礼儀ありとは、誰のための礼儀なのか?

宮本章太郎

宮本章太郎

世の中不可解な事件や、信じられないような事件が頻発しています。
児童虐待、DV、モンスター○○といわれるような身近な問題。
そして無差別殺傷などのような凶悪な犯行などもそうですね。

しかしこれらは皆
普段はそんな問題を起こすなんて信じられないような
いわゆる大人しくて優しいといわれるような人たちばかりです。
あとで振り返ると、ちょっとおかしな部分があったな
と思うんですよね。

大体において、基本的に人間関係では人って優しいものですよね。
ご近所づきあいなどもそうではないでしょうか?
どんなに家庭内に問題があったとしても
外での付き合いは非常に良好なものです。

もちろんそれは当然の事で
普段からツンケンしてる人なら
考えるまでもなくこの人はおかしいと感じるはずですから。
誰も望んで人間関係を険悪なものにしたいとは思わないでしょう。
これは仮面を被ってるわけでもなく、自分を偽ってるわけでもありません。
人間の自然な姿なんです。
そして誰しもが抱えてる問題でもあります。
決して他人事ではないんですね。

それが表面化したり衝突した時に
初めて問題として捉えられるわけです。
ですから皆さん、普段は優しい人ばかりなんです。

そんな最初は優しい人たちばかりでも
ちょっと親しくなってきたり(身内意識)
最初の段階で相手への評価を決定してしまうと
とたんに扱いが乱雑というのか、粗末になってきます。
良い言い方をすると、それだけ砕けた間柄とも言えますが。

だからこそ相手に無礼ばかり働いて
物事の本質を忘れないように
親しき仲にも礼儀あり、という言葉が言われるのですが
ですが私、これもどうなのかなぁと思います。

確かにその通りだと思いますし
大切な事だと思います。

ですが、せっかく親しくなったのに
あまり相手に礼儀を求め過ぎてばかりいると
あぁこの人はこういうところがなってないだとか
○○してやってるのに何だその態度は!?
こいつは礼儀も知らないのか・・・。
と、相手のなってない部分が目に付くようになるんですね。

相手に対して何かしてあげるにしても
自分がやってあげよう
自分がやりましょ、という思いでやってるはずなのに
相手に見返りを求めるようになるんです。
その要求に満たない場合には、相手への評価が下がるわけですね。

嫌ならやらなきゃいい。
変な義務感が自分を苦しめてるんです。
そこへきて勝手に評価される相手はいい迷惑です。
もしかしたら相手も
あなたにそこまでして欲しいなんて思ってないかもしれませんよ?

確かに礼儀は必要ですし
親しき仲にも・・・というのは
そういう一つの意味だけの言葉ではないと思いますが
そしたらその礼儀は誰のためのものなのか?
礼儀って相手に求めるものなんでしょうか?
せっかく親しくなっても気を遣ってばかりいなければならないの?
それを相手に要求してるのは誰?
今一度考えてみる必要があるのかもしれませんね。

過剰な意識は自分を苦しめるだけです。
そして相手をも巻き込みます。
振り回す、振り回されるだけの関係がどうなるのか
言うまでもないと思います。

まずは自分の意識から変えていかないと
真の人間交流というものは
今の世の中、難しいのかもしれません。



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宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

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