書籍「時間の始まり 宇宙はこうして始まった ~宇宙の起源にまでさかのぼる時間の仕組み~」出版情報
いつも思うんですが、心理カウンセラーというものは難しいですね。
クライエントさんのために
何かしてあげなくちゃならない
何か助けになるような事をしなければならない。
これは心理カウンセラーとしては間違いないんですね。
もちろん一緒になって考える事はしますが
助言やアドバイスをするのであれば、それは占い師と同じです。
心理カウンセラーは占い師ではありません。
正直クライエントさんからすれば
心理カウンセラーはただ話しを聞いてるだけ。
そのような存在にしか映らないかもしれません。
しかし目的意識があって、自分はこうなりたいという目標があったり
このカウンセラーさんに話しを聴いてもらってるんだという意識があれば
それはまた違ってくるかもしれません。
ここが難しいところで
クライエントさんのその期待に応えようとして
心理カウンセラーが変な頑張りを見せようとしてしまう。
心理カウンセリングというものをしようとして
その努力をクライエントさんに見せつけようとする。
これが間違いなんですね。
心理カウンセラーは、心理カウンセリングを偽ってはいけません。
何か権威のある占い師や、宗教の偉い人であれば
相談に来られた方に対して
これこれこうしない、そういう事をしてはいけませんなど
何かアドバイスや説教をしていれば
その人の役に立った、ちゃんと仕事をした
という気分になるかもしれません。
でも心理カウンセラーというのは、そういうものではないんです。
見かけ上はただ聞いてるだけのようで
権威ある人のように、直接何かをしてあげる事はありませんし
そういう気分にもなれないんですね。
直接的な効果も目には見えませんし
人のためにやったという実感はないんです。
しかしこれが不思議なもので
心理カウンセラーに実感はなくても
それでクライエントさんには十分効果があるんです。
クライエントさんも、よくよく考えてみれば
ただ話しを聴いてもらってるだけなのに
何かスッキリしたとか、将来の展望が見えてきたなど
生きる兆しを感じられるんですね。
一人で考え込むんじゃなくて
実際言葉にする事によって
人に話しを聴いてもらう事によって
自分の中に大きな変化が表れるんです。
今まで気づかなかった事に気づくんです。
助言やアドバイスばかりする人は
クライエントさんのそういう考えを邪魔するんですね。
だからいつまで経っても問題は解決しないし
自分で解決する能力が身につかないんです。
常にアドバイスがないと不安ですし
ずっとその人に依存した人生を送らないといけません。
その人がいないと生きていけません。
依存はまた新たな悩みや、大きな問題を呼び込みます。
心理カウンセラーは、ただ話しを聞いてるだけのように思いますが
実はそれだけではないんです。
細かい事や難しい事は書きませんが
友達や権威ある人に相談するのと
心理カウンセラーに相談するのとでは
大きな違いがあるんですね。
あなたの考えを尊重する事。
これに尽きるんです。
心理カウンセラーが難しいというのは
実際に体験してもらわないと
どういうものかわかってもらえないですし
目に見えた実感や手ごたえはありません。
そして時間もかかります。
本当にこれで正しくて
これでいいのかなんて道しるべもありません。
その中で進んでいかないといけないので
心理カウンセラーは、ほんとに自己を鍛えてないと
自らに押し潰されてしまうなと
しみじみ感じるのであります。