専門性はやりたくないことから
今回は私が建築士事務所を開業した頃の話。
建築士事務所とステンドグラススタジオは、数年前、病気で倒れたのを機に廃業しました。それから第二の人生を歩み始めたわけですが、振り返ってみて思うことがあります。
ステンドグラスを生業としたのは、学生の頃に学費を稼ぐためだったせいか何となく流れでやってきました。一方、建築士事務所を開業した当時は、どうやって生計を立てていこうかと悩みながら、毎日、京都市内を営業で歩き回っていました。
とりあえず食べるために大手建設会社の現場事務所で施工図を書く下請けをしたり、リフォーム相談にのったりしていました。
このままではあかんと思いながら、惰性で時間だけが過ぎていくので焦っていました。その頃、いつも頭にあったのは、私のように地元で知り合いも少なく実績も少ない人間が考えることといったらひとつ。
「誰もやっていないことをやる」
リフォームの相談にのっている頃、お客様から多かった悩みは、「家族が多いのに現状では狭いので、広く使えるリフォームのアイデアを知りたい」
ボーっとした私の中で閃くものがありました。京都市内は狭小住宅が多い、それならいっそ狭小住宅専門の建築士事務所にしようとお客様の絞り込みをしたのです。
建築士事務所 →「狭小住宅を広く住みたいお客様」
ステンドグラス→「メッセージ性のある作品を好むお客様」
このように視座を変えたことで少しずつ価値観が同じお客様と繋がりが持てるようになりました。同時にお客様からの口コミで仕事も入るようになりました。
そんな流れで私の第二の人生は、同じような価値観で過去の自分に近い方にお客様になってほしいと考えて始めました。
やろうと決めても行動できない人や自分自身も気付いていない不安や恐れを持っている人のことは、過去の自分に近い存在だから理解できるし、問題の解決方法も解ります。
起業する際に、やりたいことを絞り込む時に過去の自分に近い人をお客様に選ぶことで、お客様が悩んでいることに共感できるし、ココロから望んでいることを提供することが可能になってきます。
現在の私の仕事は、カタチがない商品をお客様に買って頂いています。この仕事はよほどお客様と信頼関係がなければ成立しません。
お客様にカタチがある商品を提供できるビジネスは、商品が良ければ売り手の顔が見えなくても成立することがありますが、カタチのないものはいくら商品が良くても、売る側の顔が見えなければ信頼関係が築けません。
とは言っても、カタチがあってもなくても、ビジネスは信頼関係がなければ、何も始まらないということ。信頼関係を築くために何をするかを深堀りするとビビッと良いアイデアが閃くかもしれませんね。
終わりに・・・
コラムの内容は、あなたの状況・状態・環境などに合わせてアレンジして下さい。それをアウトプットすることで学びを整理できるので、家族や友人、職場の同僚に自分の言葉で実践してみて下さい。
【小さな実践】
「やりたくないこと」をノートに書き出し、何故やりたくないのかを深く掘り下げてみることで、本当にやりたいことを引き出す
今回のコラムに質問がありましたら気軽に連絡して下さい。
あなたにも気付きがありますように