どちらのタイプなんてどうでもいい
今回は、職場の上司と部下のコミュニケーションの取り方について、下記の事例のようなことが起きたとしたら、あなたが上司ならどのように対応するか考えてみて下さい。
「重要な企画会議で部下にプレゼンを頼んだ上司は、プレゼンの時間になっても来ない部下にやきもきしていた。部下のA君はギリギリのタイミングで間に合い、結果的には素晴らしい内容のプレゼンで大成功した」
プレゼン終了後、上司は部下に対して・・・
上司)大事な会議に遅れて何をしてたんだ!
部下)会議に遅れたのは、重要なプレゼンだったのでギリギリまで良いプレゼンにするために資料をブラッシュアップしていたからです。
上司)何をしていたかを聴いているんじゃない。会議に遅れて来ること事態がありえないと言っているんだ。時間は守れ、遅れるにしても何か連絡をするべきだろう。
と上司に頭ごなしに言われたA君はどう感じるでしょうか。
一方、人の心を動かす「安心感の原則」にしたがって実践すると
上司)プレゼン、お疲れさま。素晴らしいプレゼンのおかげで企画が通って嬉しいよ。それにしても会議に遅れてきたけど何かあったのか?
部下)会議に遅れたのは、重要なプレゼンだったのでギリギリまで良いプレゼンにするために資料をブラッシュアップしていたからです。
上司)なるほど、だからあんな良いプレゼンができたのだな。ちなみに、もしプレゼンの時間が予定の時間より早まった時はどのように対応するつもりだったんだ?
部下)すみません、それについては考えていませんでした。プレゼンは会議開始から30分後だと聞いていたので・・・
上司)そうか良いプレゼンだったからな。もし会議開始から30分後ではなく、早まっていた時の対応策を準備するとしたらどんなことが考えられる?
部下)会議に参加する人に遅れていくと伝えて出番が早まりそうなら知らせてほしいと言っておきます。
上司)そうだね、それはとても良い方法だ。今回は誰かに伝えていたのか?
部下)いえ伝えていませんでした。次からは伝えるようにします。
上司)そうだね。もう1つ、これは君の意見を教えてもらいたいんだけど、いいかな?
部下)はい
上司)もし、君が企画のプレゼンを聞いて決済をする側だったら、会議に遅れてきたけど、資料がブラッシュアップされていて最高のプレゼンをした人と、会議に最初から参加した上で最高のプレゼンをした人とどっちの印象がいいかな?
部下)もちろん後者です。
上司)素晴らしい、その通りだね。今回のプレゼンは本当に素晴らしかったので、次はさらに良いものにするために最初から参加した上で最高のものをプレゼンするスタンスでいこう、今日はお疲れさま、ありがとう。
この事例で部下に対して上司の対応はどう感じたでしょうか?
では、前者と後者の上司の対応について一つひとつ分解してみましょう。
前者の上司は、遅刻の理由を理解しようとせず最初に否定から入っているので、部下にとっては自己重要感も否定されているように感じます。これだと上司に対して不安感や不信感しか残りません。
一方、後者の上司は、絶対に否定をしない原則を守っているので、最初に部下の自己重要感を満たした上で、部下の遅れた理由を理解をしようとしています。
自分のことを理解してくれようとする安心感は、部下にとっては守られている意識に直結しているはずです。
さらに、上司は自分の考え方に誘導するような指示をせず、部下にどうすれば良かったかを本人自ら気付いてもらうように促しています。
今回は、職場の上司と部下の関係を事例にしていますが、このような相手の自己重要感を満たしながら絶対に否定しないコミュニケーション法は、親子にも応用できるので、上司を親に部下を子どもに置き換えて参考にして下さい。
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あなたにも気付きがありますように
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「課題の分離ができると人間関係のトラブルを解決できる」「」
課題の分離は承認欲求に繋がる
【小さな実践】
上記の事例において、上司が部下に対して「安心感の原則」に基づいた対応のしかたを書き出してみる