認知症になっても全てを忘れることはない

小橋広市

小橋広市

テーマ:認知症介護者の憂鬱

「遠距離認知症介護者の日記」のテーマの記事は、お袋が認知症になった初期の頃を記録として残すためにアップしています。

ここから2015年3月2日の話


女性はいくつになっても「女」という話。

今日はお袋の白髪染めのために美容院に付き合っている。髪の半分以上が真っ白になっているお袋を初めて見た。あぁ、こんなに年を取っていたんだ・・・と今更ながら思う。

美容院の椅子に座ると、「まぁ~こんなになってたん」と自分の顔を鏡で見て子どものような笑顔だ。

お雛様

認知症の介護は大変だけど、当の本人は分らないからいいよね~なんて世間は言いますが、私はそうは思わない。一分前の思考が消えるそれはアイデンティティーを失っていくということ。

自分は何のために存在するのか、自己として確信できなくなる。今想像するでけでコワイ! そうなっても本人は分らないから幸せだと言えるのだろうか・・・

認知症初期の頃は、本人は記憶が薄れていくのが分かっているが受け入れられない。受け入れられないから他者に怒りをぶつけたり、徘徊したり、ただ寝るしかないとお袋は言う。 寝ている時だけは元気だった頃に戻れるのかもしれない。


ここから現在


家族が認知症を受け入れられないと介護者のパワーが強くなり、これまで対等だったパワーバランスが崩れます。認知症になった本人にとっては、「何故、急に家族が高圧的に言ってくるのだろう」と互いが受け入れられない関係性になります。

お袋が認知症初期の頃、私は理不尽なことでよく怒っていました。あんなにしっかりしていたお袋の変わりように動揺し、先の不安から怒りになっていたのです。

相手が弱っている時は、相手のパワーに合わせてパワーバランスを取らないと、互いが傷つけ合っているようものです。


あなたにも気付きがありますように



【小さな実践】
コミュニケーションは互いのパワーバランスの弱い方に強い方が合わせるように意識しておく


 

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小橋広市
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小橋広市(講師)

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

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