出口が見えない認知症のトンネル入った日
「遠距離認知症介護者の日記」のテーマの記事は、お袋が認知症になった初期の頃を記録として残すためにアップしています。
ここから2014年10月23日の話
実家の倉敷に帰った。今回の主な目的は、お袋の認知症の精密検査。認知症とクリニックで診断されたが、認知症の種類を詳しく検査していないので、物忘れ外来がある専門の病院で受診した。
胸部レントゲンに始まり、頭部MRI→血液検査→心電図→脳波→記銘力検査など、半日掛かりの検査。さすがにお袋も疲れたと思いきや「楽しい旅行をさせてくれてありがとうよ」と思わぬ言葉が返ってきた。
お袋にしてみれば、病院の行き帰りで、むかし自分がバイクで通った道や建物を思い出しながら、私と話した昔話が楽しい旅に思えたのかもしれない。
私は敢えて否定しなかったが、安堵の気持ちとやりきれない切なさが入り混じって
何とも言えない気持ちになった。
肝心の検査の結果は、海馬が痩せるタイプのアルツハイマーとのこと。現段階では治すより進行を遅らせることしかできない病気だ。
進行していくとともに、日時の感覚がなくなり、自分の居場所が分からなくなる。そして話している相手のことが分からなくなるそうだ。
先生のアドバイスは、一人暮らしができなくなる残された時間は個々で違うが、いずれ先には施設に入ることを今から考えていた方が良いとのこと。自宅が一番好きだったお袋には、できれば最後の最後まで実家で暮らしてほしい。
ここから現在
まだこの時点では、お袋と昔話ができたので実家のことやお袋が若いころのこと、戦後の苦労話などを聴いてICレコーダに記録しておけば良かったと悔いが残っています。
認知症の症状がまだ軽い時だったら、本人と共通する昔話をすることで認知症の進行を遅らせる最も効果的な方法だそうです。
参考になれば幸いです。
【小さな実践】
認知症と診断されてもすぐに記憶がなくなるわけではないので、その時点で昔のことをを本人から聴きだして記録しておく。