マインドフルネスのもう1つの活用 3
アメリカの心理学者ジンバルド氏が行った「スタンフォード監獄実験」は、監獄のセットの中で囚人役と監視役を学生が演じる内容のもので、「特殊な状況下に置かれた人は、求められている役割に合わせた行動をとるようになる」という実験です。
どうやらこの実験はヤラセだったという説がありますが、それはそれとして、ビジネスマンがネクタイとスーツを着た瞬間からビジネスモードになったり、制服を着るとその職業モードに入るのは、私も体験しています。
環境や服装に加えて、周囲の人の演技が入ってくると、与えられた役割を演じ始めると表情や言葉遣いまで変わってくるので面白いですね。
この実験に似たワークがあるので紹介します。
モデリング
理想的な人や憧れの人を真似て、自分に内省させるワークを、NLP(神経言語プログラミング)では「モデリング」と言います。
できればあなたが理想とする人や憧れている人を真似るのがベストです。
真似る人を観察する際に、五感の感覚をフル活用し、観て、聞いて、感じながら、理想の人をイメージしていきます。
このモデリングは、ただ単に表面的な理想の人を想像するだけではなく、五感で理想の人の内面や感情に対してもイメージしていくことが重要です。
言葉遣いや表情や仕草を真似るには、視覚で見て、聴覚で音を捉え、触覚や身体の感覚で動きを真似てみるのです。もし憧れの人のようになりたかったら、その人になり切ることです。
脳は、現実とイメージの区別がつかないし、自分と他人の区別もつかないので、真似をしていても自分のこととして捉えます。脳がそのイメージを受け止めると、あなたの身体や意識もそのように変わってきます。
私たち人間は元々、他者の真似をして成長します。赤ちゃんの時は、身近にいる母親や家族を観て成長します。真似るということは、私たち人間に備わった成長するための本能のようなものです。
あなたが憧れる人や理想の人を真似るためには、まずその人をとことん分析することから始めて、自分と少しでも似ている部分があれば、そこを伸ばせば良いし、違う部分は最初は抵抗があるかもしれませんが、真似ているとそれも自然になります。
その人の趣味や服装、部屋の環境を真似ると、より強くイメージできるようになります。ちなみに私は1974年頃から、俳優の中村雅俊のドラマの「俺たちの旅」の主人公が理想の人になっています。
その時代から現在まで、成長した中村雅俊を真似ています。私の場合はいつも真似ているわけじゃなくて、大勢の前で話す際、緊張した時には真似させてもらっています。
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「苦手なコミュニケーションはドラマで克服できる」
ドラマから学ぶ2つのこと
【小さな実践】
ここぞという時に理想の人を真似てみて周囲の反応を確認してみる