コーチングワークを検証してみた
認知症の介護をしている方に読んで頂きたいと思って書きました。今は特養に入っているお袋が、実家で一人暮らしをしていた頃の話。
遠距離介護のため、いつもヘルパーさんから電話には、また何かあったのかとヒヤヒヤしていました。案の定、ヘルパーさんに暴言を吐いたらしい。 認知症になる前の穏やかなお袋からは想像ができませんけどね。
認知症になると、知らない人の前では、よそ行きの顔を見せる。 もちろん健常者にもそれはあるが、お袋の場合は極端でした。おそらく初対面だったら認知症とは思わないと思います。
認知症なってからのお袋は人の顔色を読むのが得意で、自分の味方でないと感じたら話しかけても蝋人形のように無表情になります。デイサービスに行くと、楽しい時は皆んなの中で楽しんでいるが、機嫌が悪くなると蝋人形になるらしい。
コーチング
周りに人がいるほど、大勢の中で孤独感にさいなまれ、自分が疎外されているように
感じているのかもしれませんね。その頃のお袋は、認知症といっても初期だったので
ゴーチングできます。
認知症なのにコーチングと思うかもしれませんが、一般の方より少しコツがいるだけで何も変わりません。ただ、認知症になると視界が狭くなるのでしっかりとお袋の視界の中に入るようにしました。
認知症患者の視界は人差し指と親指で◯を作りメガネのようにして見た時の視界です。どうですかいかに狭い視界かが分かるでしょう。目をそらさないように声のトーンを落としてきるだけ明瞭な声で、会話を区切って語りかけることも重要です。
お袋は耳が少し遠いが、こうして話すと一度も聞き返してきたことはありません。まず、嫌だった出来事を聞きながらその時に湧いた感情を拾い上げる。
ひとつの感情が出てくると他の感情も紐づけされているので共通する感情を引き出す。共通する感情があれば嫌な出来事の中で、何に対してお袋がフォーカスしているのかを探す。
ここで注意しなければならないのは、誘導的に感情を引き出さないこと。これをやると、こちらが誘導で出した感情に本人が合わせてしまうからだ。これは認知症特有のクセのようなもので考えるのが面倒くさいのだ。
世間話をしながら話すことからか前の話題をすでに忘れているので根気がいる。どんなに認知症が進んでも記憶はなくなるかもしれないが、感情だけは最後までしっかりあります。
お袋が一番嫌なことをコーチングで聴いたことがあります。今回もヘルパーさんに甘いものを食べるのを注意されたのが気に入らなかったらしい。お袋は糖尿病なので、ヘルパーさんにしてみれば身体を心配してのこと。
もちろんそんなことをお袋に言ったところで自分の感情を優先させるだけです。その時に私が少し感じたのは、れほど長くない人生の中で、身体に悪いから「やらさない」「食べさせない」ということは、本人にとって幸せなことだろうか。
お袋にコーチングしたことで、どんな人の感情でも、時間をかければ引き出せると確信しました。認知症の初期の頃、よくお金を盗ったと疑われることが多く、私とお袋の信頼関係はほとんどない状態でした。
お袋にコーチングを始めてから私への信頼度が高まったのは言うまでもありません。
【小さな実践】
あなたにとって「幸せ」とは何か何故、そう思うのかを掘り起こしてみる