どちらのタイプなんてどうでもいい
羞恥心
以前、顔から火が出るような恥ずかしい思いをしました。というのも、昔の建築関係の職人さんとバッタリ会ってホテルラウンジでお茶した時の話です。
その知り合いの職人さんは、とてつもなく地声がデカイのです。そう、恥ずかしいくらい(笑) ホテルのラウンジは静かで、私たちのテーブルはラウンジの中央。はたから見ると、まるで喧嘩でもしてるくらい声がデカイのです。
私は「少し小さな声で話しませんか」と言うと少しの間は抑えてくれますが、すぐにデカイ地声に戻ります。もう周囲が気になって話の内容が耳に入ってきません。職人さんと私では話す速度もトーンも違います。周囲の視線は遠慮なく私たちに刺さる。
建築の職人さんは、たいてい地声がデカイです。普段、騒音がある現場で会話すことが多くどうしても声が大きくなります。で、取り敢えず、この場を乗り切ろうと、あることを試してみたのです。
3つのテクニック
私の椅子をテーブルに近づけ、少し前のめりの体勢で小さな声で話すようにしました。しばらくすると、職人さんの様子が少し変わり始め、だんだん声が小さくなってきたのです。
おまけにそれまで職人さんは、ふんぞり返っていたのに椅子に座り直しテーブルに近づいてきたのです。不思議でしょう(笑)
これは自分が望むカタチに相手を巻き込む方法です。この場面だと私が望むカタチは「静かに話す」なのでその行動を相手の目の前で私自身が作りました。
私が小声で話していると、職人さんは自分の行動(大きな声)に違和感を感じるようになり、最初に行動をとった私に無意識に合わせようと声が小さくなるのです。
ここで使ったテクニックは、ペーシングとミラーリングとリーディングの3つのテクニックです。リーディングは説明した通りですが、ミラーリングは、相手の仕草を真似る。ペーシングは、相手の声のトーンやスピードに合わせる。
いずれもコミュニケーションを円滑にするためのテクニックですが、今回は、自分のペースに相手を持ち込むために、相手の会話の間合いや息遣いを観察しながら3つのテクニックを逆に使って誘導しました。
最初の段階では、私が職人さんのペースにハマッていました。言葉でいくら理解してもらおうとしても、職人さんは「大きい声」が習慣になっているのですぐに元の状態に戻るのは当然ですよね。
地声の大きな人や早口の人がいたら、五感を研ぎ澄ませて相手を観察しながら試してみて下さいね。
【小さな実践】
あなたは、喜怒哀楽のどの場面で3つのテクニックが使いやすいか検証してみる