子育てにおいて子どもと大人は観える景色が違うからね
私の講座の参加者さんは、専業主婦の方が多く、話を聴いていると色んな悩みや課題を抱えています。中でも「子育て」に関係する下記のようなモヤモヤが多いようです。
・育休をとっていた同級生のママが仕事に復帰して働くママになった時、専業主婦の私は取り残された気持ちになったけど、主人は仕事で、毎日帰りが遅く、育児しながら私が仕事をするのは無理です。子どもとずっと居られる幸せはあるけど、気持ちだけが焦ってしまうモヤモヤ感を軽くしたい。
・「専業主婦は楽しくていいね」なんて言われるとキーってなります。専業主婦が暇という認識が何故できてしまったのか、永遠に理解してもらえないのか、専業主婦の大変さを少しは分かってほしい。せめて主人に理解してもらおうと、ぎっしりツメツメの私の一日のスケジュールを見せると「ここ、削れるよね」と普通に言われてショック! 一番身近にいる主人に共感してほしいし認めてほしかった。
・子育ては自分のペースで動けないし、子どもは思い通りに動かない、そんな時に子育てを理解されていない人から「たいへんね」と言われたらよけい落ち込みます。専業主婦はどこで評価され、どのような目標を持てばいいのだろう。
・働いていないと保育園には預けられないので、実家の両親に子ども預けて、たまにリフレッシュしているのですが、実家から子どもを連れて自宅に帰ると、せっかく気分転換しても現実とのギャップがよけい辛く感じます。
・一時預かりの施設に子どもを預けても、自分がしたいことを自分のチカラでしている感がなく、夫が働いたお金を使っていることに抵抗があります。かと言ってどのように考えても働くことは無理だし、こんなことを考えていると社会から取り残されているように感じます。一般的には、女性が働くと「子どもがいるのに働くの?」と言われ、専業主婦になると「どうして働かないの?」と言われる矛盾に腹が立つ。
このようなモヤモヤした気持ちがある時は、まず、あなた自身が、「誰に認めてほしいのか」をしっかりフォーカスしておくことです。ご主人に認めてほしいと思っているのでしたら、子育てについて、ご主人にも言い分があるはずです。それをしっかり聴いて相互互換的な交渉をしてみてはどうでしょうか。つまり「すり合わせ」です。そして休日などに、一度、ご主人に育児を代わってもらって大変さを理解してもらうのも良いかもしれません。
24時間、ずっと子どもと居るのはツライと思うのも無理はありません。だって子どもがいない時は、一日中、子どもと過ごすことは経験がないので想像できませんからね。そんな時は勇気をもって、一時預かりなどを利用して気分転換をしてみると、改めて気づくことがあります。確かに一時預かりなどを利用するとお金はかかりますが、現実を受け入れて子どもに笑顔で向き合うための必要経費だと考えたらどうでしょうか。家計を長いスパンで考え、必要経費も先行投資として割り切るという人生設計をご夫婦で話し合うと、あなたのココロの負担も小さくなるはずです。
よくよく考えてみると日本の歴史上、今の専業主婦の方は特殊な時代にいます。つまり、昭和の始めの頃までは農業・林業・漁業の第一次産業が中心だったので、男も女も一家総出で働き、働かないことを選べない時代だったので専業主婦はいませんでした。戦後、高度成長期を迎えて、男が外に出て目一杯働くために女が家を守るという専業主婦の考え方に移行してきました。
しかし、少子高齢化の時代になるにつれて女性の労働力も必要になり、女性が働くことが選択できるようになりましたが、現実的には女性が働くための社会環境が整備されていないので、働きたいけど働けないという、気持ちが揺れモヤモヤしたところにいます。
こんな時こそ視座を変えて観ると、これからは女性自身がどのように生きるかを考えるチャンスかもしれません。まず、自分で自分を認めてあげることからスタートしてみてはどうでしょうか。
今のうちに、あなたがどのタイミングで何を手に入れてリスタートするか未来予想図を描いて、あなたのチカラを発揮するチャンスを待つのがベストでしょう。専業主婦は、「子育て」で身に付いた強力なスキルがあります。このスキルは、同時に色んなことができるトータル企画力や忍耐力といった総合的な能力。この能力は職場に戻った際、男性社会にはない特殊な能力なので、きっと心強い味方になるでしょう。
【小さな行動】
専業主婦という強力なスキルに、
何を掛け算するとあなたの未来予想図が描けるか考えてみる