美しい100歳
若かりし頃の小さな「怒り」の話。
学生時代、四歳年下の彼女と
付き合っていました。
バイト代が入ったので、
彼女にサプライズで、
有名な洋食屋を予約してたんです。
遅刻の常習犯だった彼女に、
当日は絶対に遅刻しないようにと約束してたのに
案の定、時間になっても現れません。
当時は携帯電話はありませんし、
私の不安は頂点に達していました。
30分ほど遅れて彼女が、
「ごめんごめん」と、
くったくのない笑顔で現れたのです。
私「昨日、あれ程約束したよね!」
彼女「行く直前に友だちから電話があって」
私「約束があるからと切ったらいいじゃない!」
彼女「ちょっと言いだし難くてさ、
でも、まだ間に合うからいいじゃない!」
私「開き直る前にちゃんと謝ってよ!」
彼女「最初に謝ったじゃない!」
私「ちゃんと謝ってよ!」
彼女「そこまで言われなきゃいけないほど
私は悪いことをしたの?」
私「もういいよ、今日は帰る!」
まだ間に合ったのに
あんなに怒る必要はなかったなぁ・・
後悔と腹立ちを交互に感じながら
歩いて帰ったのを覚えています。
人の行動には
時として訳の分からない
矛盾が生じます。
彼女と喧嘩になり、「帰る」という行動は、
理屈ではなく怒りの感情。
時間が経つと、
怒りの感情で自己防衛する必要がなくなり
「後悔」という感情に変化します。
「怒り」は時として多数の人を巻き込み、
人の人生をも変えることがあることを
その頃、理解してたら・・・
小さな感情の動きで行動し、
Y字路の左か右かを選びながら
人生のタイムラインを進み、
戻ることも止まることもできず、
前に進むことしかできない
それが歳を取るということ。