つい出てしまう「若者言葉」、失礼のない言い方にするには
不適切動画炎上は、企業にとって他人事ではない緊急課題
ニュースでも、連日のように取り上げられている不適切動画の数々。その動画に映る従業員の姿は、サービスを提供する側のモラルとはかけ離れていて、衝撃的な光景ばかりです。「バイトテロ」ともよばれ、店の商品や店内で悪ふざけしている様子をスマートフォンで撮影しSNSを介してネット上に投稿する行為で、近年店の閉店や企業が倒産に追い込まれるなどの深刻な問題となっています。その予防策として、若者のソーシャルメディアとの繋がりにおいて「ネットリテラシー」が企業内研修で行われ、様々な取り組みはなされています。今では、小学生から携帯を持ち身近になりつつある「スマートフォン」。小・中学校や高校といった教育現場でも生徒や保護者向けに、折に触れて専門の講師の方がネットの危険性や脅威についてお話ししてくださる機会も増えました。そのため、動画に映し出される若者や撮影して投稿している年代層は、これまでにすくなくとも一度は「ネットの危険性と脅威」についての指導や話しを耳にする機会もあったはずです。そういった中でなぜこのような事件や炎上騒動が起きてしまうのでしょうか?
「ビジネスモラル」と「社会性を身に付ける」ことの重要性
「モラル」は、人が生きていく上で守るべき倫理観や道徳意識で、特に善悪を伴う判断や良識が問われる基準・普遍的な道義といえます。マナーは、そのモラルを土台として共に人と関わる中で好ましい言動や人に不快感を与えないよう身につけるべき作法や礼儀です。
研修で「人との接し方」の指導をする際に、「モラル」は皆さん出来ているもの、当然身に付けていることとして「マナーとは…」という点からお話ししていますが、昨今の現状では、まず「モラル」を身に付けるところから始めなければならない状況です。特に、小学生から学んできた「道徳」のように、その年齢や世代に応じたモラルの教育が必要であるように思います。そして「ビジネスマナー」のように、ビジネスの上で社会人必須の常識として身に付けるべきことと同じく『ビジネスモラル』も、求められるようになってきたといえるでしょう。
➢モラル教育とコンプライアンス遵守を従業員に浸透させる難しさ
不適切動画を投稿した若者やその当事者が口を揃えていうことは、「親しい仲間うちで、面白い・笑いが欲しい・ウケ狙いといった気持ちで投稿したが、こんなにも拡散されると思わなかった」という主旨の動機が語られています。確かに先ほども述べたように、ネットの危険性や脅威に対しての無知や考えの甘さもありますが、決して許されることではない事をしてまで、ウケたい・笑いが欲しい・それを面白いと感じる気持ちや、自分がネット上でつながっているのは、数人の親しい仲間だけ…といった誤解も要因の一つと考えられます。また、彼らにとって「バイト=お金を得る為の手段」としての意識しかないことも大きいと言えるでしょう。その為、『自分の欲しい物や自分のやりたい事の為に、お金が欲しい。楽しみたい。同じ働くなら、楽しい方がいい。面白い方がいい。人との繋がりは親しい仲間だけ(雇用されている企業との繋がりが希薄)』という、社会性のなさや視野の狭さ、自己中心的な気持ちが優先されているように思われます。このように当事者の社会での立場や責任といったことが、不適切動画からは全く見えてこないことこそ、問題と言えます。
「従業員満足度(ES)」は、従業員側の受け止め方も大切
特にこのところ目につくのは、飲食店・コンビニでの不適切動画です。飲食店やコンビニでは、どこも「人材不足」であるとニュースなどでも報道されています。そのため、アルバイトやパートといった採用では、正社員ほどハードルは高くなく、人物像や人柄といった点まで慎重に見極めるのは難しいといえるでしょう。また、私も研修を担当しているので理解できるのですが、どの業種でもアルバイト・パート向けの研修は、時間的都合やそれぞれの予定に合わせて計画を立てることも難しく、「ネットリテラシー」の研修を行ったとしても、正社員のみが受講となる可能性が高いのも事実です。また、人手不足から起きる、職場内の時間的・身体的ストレス発散が、不適切動画の引き金になっていることも多いようです。これらのことを防止するためにも、職場環境や勤務シフトの適切かつ充実と、『従業員満足度(Employee Satisfaction)』を高める施策が必要となってきます。『従業員(アルバイト・パートも含めた)満足度』高めるには従業員ひとり一人が、仕事のやりがいや達成感・評価されること・期待されることの喜び、この仕事に携われて良かったという気持ちになれる職場の雰囲気も必要です。仕事への責任や企業(店舗)での自分の立場は、このように『従業員満足度(ES)』によってより意識が高まり、仕事を持続できるモチベーションとなります。
ただ、ここで一つ言えることは、企業側の努力によって『従業員満足度を高める』取り組みを行うだけでは、浸透しないということです。従業員側も、雇い主である企業から、給与やバイト代だけではなく、「仕事の場が与えられていること」・「制服や支給品があること」・「仕事に就いているという社会的保証」に対しての感謝や大切に思う気持ちがなければいけません。クレジットカード一つとっても、仕事に就いていなければ作れないのですから、仕事の場を与えられていること・採用されることに対しての感謝や有難さがなければいけないと、私は思います。つまり、どれほど人材確保や人材育成、職場環境の向上や仕事の効率化に企業側が力を注ぎ・投資しているか…といったことに、従業員(パートやアルバイトも含めた)が気づくことも必要であると考えます。
新入社員研修や若手社員へのフォローアップ・ステップアップ研修も同じです。また、階層別研修や管理職就任前の研修なども、人材育成への企業側の投資といえます。
研修では、「研修実施は、企業側として当たり前のこと」と受け身な気持ちで取り組むのではなく、受講者自身が『一人前の社会人(企業人)なる為に、学ぶ機会・貴重な時間を、与えてもらっている』という意識がなければなりません。また、そのように感じられる気持ちを育み、気づきを与えられる研修でなければならないと考えます。
「ビジネスマナー」そして、「ビジネスモラル」。これらのことは、新社会人はもちろん、すでに仕事をしている若手社員の誰もが、身に付けるべき・習得するべきことといえます。
➢不適切動画再発防止の為のガイドラインはどのように行うべき
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