施主・近隣住民から、建設現場は常に見られているという、意識を持つ大切さ
携帯電話のマナー
工事現場でのクレームでも多いのが、施工者・工事関係者の携帯電話の話し声によるものです。
工事現場では、重機器の稼働音や鉄筋作業の音・車両の出入りの音といった、さまざまな音が入り乱れています。そのため、現場作業員にとってもそのような騒音の中での会話は負担で、大きな声を出さないと聞き取りづらいことも多いのが現状です。
それが電話となれば、相手の顔が見えない分、自分の言っていることをはっきり伝えようとして、ますます大きな声で会話をしようとしてしまいます。
伝えようとする気持ちは分かりますが、声のあまりの大きさに近くにいる人をびっくりさせてしまったり、電話で話しながらこの人は、何か怒っているのか…といった、余計な気遣いを周囲の人に与えてしまいがちです。あなたはそのつもりがなくても、工事関係者は大きな声を出して電話をするのが当たり前というような態度では、周囲の人・近隣の住人・近くを行き来する人に、「ここの工事現場は雰囲気が悪い」といったイメージや印象として強く残ります。
ですから、工事現場での携帯電話のマナーとしては、現場から離れて平常時の声のトーンでも話せる・聞こえる場所まで移動する配慮が必要とされます。
すぐに静かな場所に移動できない場合や、現場を離れられない場合は、改めて電話をかけ直すことも一つです。これは周囲の方だけでなく電話の相手にとっても、気遣いのある行動といえるでしょう。
声の配慮が必要
施工者の声や音というのは、思っている以上に近隣の方や通行人に届いています。みなさんにとっては毎日当たり前の現場での音や作業員同士の会話も、周囲に住む方々とっては、自分達の平穏な生活をかき乱す騒音や大声となり、耳に届いているのです。
良いことも悪いことも、全て聞こえてしまっていると思ってよいでしょう。
ですから、話し方や話す内容にも、近隣の人を意識した配慮が必要といえます。
聞きなれない乱暴な言葉は、普段自分が使っている言葉の何倍も、大きく・強く心に響きます。それだけに、工事現場で先輩作業員や監督が、新人を指導のつもりで怒鳴りつけたり、工事の手順や運ぶ物などを指示したりする時の言葉や大声は、何も関係のない近くの人の心までドキドキさせたり、不安な気持ちにさせてしまっているのです。
工事関係者の方々に、丁寧な表現や言葉を使うべき…とは、言いませんし、押し付けません。ただ、自分の話している言葉が、伝えたい相手以外の他の人にも、違うイメージで伝わってしまっているということを、今一度心にとめてほしいのです。
近所の人が、この話を聞いたらどう思うだろう…。こういう言葉遣いを聞かれたらどう思われるだろう…。と、自分の声や話した内容が与える周りへの影響を考えて、節度ある行動をして頂きたいのです。
電話をしている時の態度や行動の注意点
先ほども述べたように、基本的に電話にでなければいけない時は、現場や話しをしている人から離れます。
現場から離れるということは、あなたのことを工事現場の外で、見る人が増え、なにげない行動の一つ一つが、近隣の方の目に付く機会も増えるといえます。
その際に、周囲の方に対して威圧感や不快感を与える態度であると、施工中の工事に対しても悪いイメージを与えかねません。現場での作業は、日々汚れますし夏場であれば汗もかくことでしょう。汚れることを前提とした作業服ですが、どうせ汚れるのだから、なんでもいいというのではいけません。
また、ずっと作業をしていると、つい電話の時くらい…と、どこにでも座り込んでしまう作業員も多く見受けます。本来、座る場所ではない場所に座って、電話をしていませんか?
話している場所、声の大きさは、周囲の人の邪魔にはなっていませんか?
自分の態度やなにげない行動が、常にいろんな人に見られているといこと、そして自分の印象が施行中の工事の印象を変えてしまうということを、工事関係者全員が理解しておかなければなりません。