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谷川由紀

人材開発・組織開発・アンガーマネジメントのプロ

谷川由紀(たにがわゆき) / 社会保険労務士

高松太田社労士事務所

コラム

怒りがうまれる仕組みとは?

2018年5月4日 公開 / 2021年1月22日更新

テーマ:アンガーマネジメント

コラムカテゴリ:法律関連

小さなお子さんがいるご家庭はどこも同じだと思いますが、我が家も毎朝、バタバタです。
子供達のお弁当を作り、朝ごはんを用意し、自分の支度、そして子供に食事を食べさせ、支度を手伝う・・・。

仕事があるので、家を出なければならない時間は決まっています。
でも、そんなことにはお構いなく、子供はダラダラと食事をしたり、歯磨きを嫌がったり、「こんな服はいや、違う服にする」と言い出したり・・・。
ようやく準備が整い、家を出ようとすると「ちょとまって。おしっこ」と言い出したりします。





少し前に、保育園の駐車場に車を停め、園に向かおうとすると、となりに停めた車から3歳くらいの男の子と、1歳くらいの男の子をだっこしたお母さんが降りてきました。

お母さんはとてもイライラムカムカしていて、お兄ちゃんに「早く降りろっていってるでしょ!」「いい加減にして!」「なにしてるの、さっさと歩きなさい!」と怒鳴りながら、大人のペースで歩いていきます。

3歳の男の子は、お母さんについていこうと必死で走っています。でも、足が絡まって、こけてしまいました。
すると、お母さんの怒りは一層大きくなり、「いい加減にしてムカムカ」「どんな歩き方してるの!」「仕事に遅れたらあんたのせいだからね」と言い放ち、子供の足についた砂を払うこともなく、無理やり手をつかみ、ひきずるように連れて行きました。

痛いともいわず、お母さんにしがみついて歩く姿をみて、私は胸が苦しくなりました。
きっと悲しいだろうな、と。

でも、きっとそのお母さんも頑張っているのです。
ただ、心の中のコップが、マイナスの感情で溢れてしまったのでしょう。
いつも、「怒りは突然生まれるものでも、空から降ってくるものでもない。」とお伝えしています。
怒る前には、「悲しい、不安、嫌だ、寂しい、空しい…」というマイナスな感情が心の中にあり、怒ってしまうのは、それが溢れてしまった時なのです。

今回も、朝の忙しさに疲れていたり、仕事に遅れるかもしれないという不安などが、心に溢れてしまったのではないでしょうか。

3歳の子供なら、まだ機敏には動けないし、こけることだってよくあることです。
きっとそのお母さんも、そんなことは分かっている。

でも、感情が溢れてしまうと、自分でも止められない時があるのです。

私も同じような経験があります。
アンガーマネジメントを知ってからは、そんな時、まず自分の心のコップの中にたまったマイナスの一次感情、「悲しい、不安、辛い、嫌だ、空しい・・・」を探すようになりました。
そして、「お母さんは仕事に間に合わないかもしれなくて不安なんだ。だからお願い、協力してね。」と、素直に伝えるように心がけ、怒りで後悔することが少なくなりました。

ぜひ、一人でも多くのお母さんが、怒りで後悔することが少なくなると良いな、と思います。

この記事を書いたプロ

谷川由紀

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谷川由紀(高松太田社労士事務所)

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