サービス残業対策③
同一労組同一賃金対応で、お客様のところで手当の見直しを行っている際、
固定残業手当の継続の有無の話になりました。
いろいろと社長と人事担当者と話し合った結果、
「固定残業手当をやめて、通常の残業代にもどす」
という結論に至りました。
しかし、やめるにしてもその方向性によって、
次のような課題にぶつかることになります。
①固定残業手当代をそのまま減額すると、給与の支給額が減ることになる。
⇒労働条件の不利益変更になるため、労働者の同意が必要。
例えば、基本給25万、固手5万の場合、基本給25万のみにするというものです。
これは労働者にとっては納得いくものではないでしょう。
なかなか同意をとることは難しいものと思われます。
②固定残業手当代を含めた総支給額をそのまま維持する。
例えば、さきほどの例でいうと、30万円を新しい給与額とする、ということです。
確かに、今までと変化はないように思いますが、
残業が発生したら別途残業代も支給されるため、30万円プラス残業代となり、
企業にとってはコストアップとなります。
今回は②の方向で賃金制度を見直すことにしました。
コストアップは避けられないが、残業時間の上限規制も始まり、
全体的に残業も少なくなっているから、という理由からです。
固定残業手当は、安易に導入している企業も多いと感じています。
しかしながら、いざ辞めるときには考慮しなければならないこと、
コストアップにつながることもあるため、慎重な導入が必要でしょう。