「逃げるが勝ち」のアンガーマネジメント
取引先との交渉の中で、一方的に条件を言われ、
イライラが募ってきた場合の対処法について質問を受けました。
私は、「いったん距離を置きましょう」、とアドバイスしました。
距離を置くというのは、時間と空間のどちらもです。
時間というのは、いったん会話を中断してしばらく時間を空けることです。
そして、空間というのは、その場から離れることです。
目的は、お互いに冷静になれる状況をつくるためです。
ただ、ひとつポイントは、
「ちょっと冷静に検討したいので、少し時間いただけますか」
「少し上司と相談したいので15分後に再度連絡します」
「のどが渇きました。コーヒー飲んでくるので10分ほど休憩しませんか」
などの言葉を相手にかけて、
必ず「会話」に戻ってくることを伝えることです。
そのような言葉がけをせず、いきなり席を立ってしまったり、
電話を一方的に切ってしまうと、逆効果になるのは目に見えています。
これは、アンガーマネジメントの
「タイムアウト」というテクニックです。
怒りのピークは6秒といわれています。
イライラが募って、爆発してしまっては、
大事な取引先との関係が壊れて後悔することもあるかもしれません。
時間的、空間的に距離を置くことで怒りのピークをやり過ごし、
冷静になる時間を作るのが大切です。
たしかに、距離を置く、というのは、
取引先相手であったら、なかなか難しいかもしれません。
ただ、私の知人がこんな話をしていました。
電話で話がややこしそうになったら、
「ちょっと電波が悪くて聞きとりにくいので、再度こちらから連絡します。」
「10分後くらいにかけ直しても大丈夫ですか。」
案外このような対応でも、自分も相手も落ち着いて再度会話ができるということです。
私もこのような経験がありますし、無意識にこのような対応をしていることもあるでしょう。
「タイムアウト」を意識して行うことで、
怒りの感情ともっとうまく付き合うことができるでしょう。