雇用調整助成金と同一労働同一賃金
年次有給休暇(以下、「年休」)は、この4月から5日取得義務となりますが、
合わせて会社の「時季指定」が認められました。
ただ、この時季指定に関しても注意が必要です。
まずは、会社が年休の時季指定をするだけでは足りず、
従業員が付与された日から1年以内に年休を5日取得していなければ、
法違反となります。
そのため、「〇と〇と〇は、年休で休んでくださいね(※)」と
時季指定していたとしても、実際に従業員が年休をとっていなければアウトです。
(※時季指定する際には従業員の意見を尊重することが必要です)
しかし、年休取得を従業員本人が希望せず、会社が時季指定を行っても
休むことを拒否した場合には、会社の責任はどこまで問われるのでしょうか。
先日公表された「改正労働基準法Q&A集2019年3月」で確認すると、
この場合でも、年休を取得したことにならないため、
会社は法違反を問われることになります。
ただし、労働基準監督署の監督指導において、
まずは原則としてその是正に向けて丁寧に指導が入るとのことです。
いきなり罰則が適用されるのではなく、改善に向けての指導とのことですが、
会社としてはかなり負担が大きくなるでしょう。
そのためにも、年休管理簿等で年休の取得状況が
リアルタイムで分かるようにしておき、
取得状況が芳しくない従業員には個別に取得を促すようにする等、
よりきめ細やかな対応が会社としては求められます。
それでも、従業員が年休取得を拒んだ場合には、
服務規律違反を問う等、会社も就業規則等のルールに則った対応をしていきましょう。