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雇用確保措置は整っていますか。

三谷文夫

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テーマ:労務管理

昨日、兵庫労働局から「平成25年 高年齢者の雇用状況 集計結果」が出されました。

この集計は、毎年6月1日現在の状況をまとめており、この時期に結果が発表されています。
詳細は、こちら
http://hyogo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/hyogo-roudoukyoku/taisaku/25koureikoyoujoukyou.pdf

注目したいのは、今回の結果を受けて、
「兵庫労働局」が今後の取り組みとして次の項目を挙げていることです。
(原文どおり)

『(1)雇用確保措置の定着に向けた取組
平成25年4月の制度改正の影響もあり、雇用確保措置が未実施である企業(31人以上以上規模企業)
が489社にのぼることから、兵庫労働局、ハローワークによる個別指導を強力に実施し、早期解消を
図る。』

ここでいう雇用確保措置というのは、高年齢者雇用確保措置のことであって、
①定年の廃止
②定年の引き上げ
③継続雇用制度の導入
のうち、どれか一つの措置を講じていることが企業には義務付けられています。

未実施企業489社というのは、全体の約10%です(兵庫県内企業)。
今年4月に制度改正があり上記③について大きな変化があったにも関わらず対応できていない、
ということで「個別指導」を「強力」に実施するという表現から、兵庫労働局の強い意志の表明が
読み取れます。

私の感覚では、逆に90%もの企業が対応できていることに驚きました。
ただ、この結果には従業員30人未満の企業は含まれていないので、
それを含めればもう少し未実施企業が増えると推測されます。

今後は、従業員数30人未満の企業も含めて、雇用確保措置が整備されていない企業の方は、
各リスク回避のためにも早急に対応したいところです。
リスクでいうと、高年齢者雇用安定法(以下、高年法)違反として最悪、企業名が公表される
というリスクがありますし、ハローワークでの求人の不受理、助成金の不支給等のリスクも考えられます。

雇用確保措置については、上記③を導入する企業が圧倒的に多いです(約80%)。
では、上記③を導入する、と宣言するだけで対応できたのかと言うと不十分です。
例えば、この件は退職に関することなので、就業規則に書き込まないといけません。
従業員への周知も必要です。あるいは、雇用延長に伴う賃金設計なども考える必要があるでしょう。

また、早急に対応といっても、場当たり的に雇用確保措置を導入するのは危険です。
会社の規模や将来、経営者の想い、これまでの従業員の働き方や退職時期、等を
総合的に考慮したうえで、①~③までのどの措置が当社にとって最良かを考えてみて下さい。

(おわり)

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三谷文夫
専門家

三谷文夫(社会保険労務士)

三谷社会保険労務士事務所

労務についての法的観点からのアドバイス、それに加えて人材育成、組織力向上についての研修を行うことができることが私の強みです。「明日から実践できる研修」をモットーに、現場ニーズに合わせた研修が特徴です。

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