67【金融知識】動画13分「インフレ時の住宅ローン」

~5年更新時代の現実~
先日、
自宅近隣の投資用戸建ての火災保険更新見積を取りました。
以前、
原状回復や裁判のコラムでも書いた、
いわゆる「クソ坊主物件」です(笑)。
築年数は古めの戸建て。
鉄骨(T構造)です。
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2016年契約時。
・建物保険金額2,500万円
・火災保険10年間 約8.5万円
・地震保険5年間 約2.1万円
でした。
つまり、
火災保険部分だけで見ると、
10年間約8.5万円。
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今回、
2026年更新見積。
・建物保険金額2,500万円
・地震保険なし
で、
5年間の火災保険料が約16万円超。
つまり、
2016年
10年間 約8.5万円
↓
2026年
5年間 約16万円
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現在水準を10年換算すると、
約32万円。
つまり、
約3.8倍。
約280%アップです。
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さらに驚いたのが、
・建物保険金額を1,000万円まで下げ
・地震保険なし
でも、
5年間の火災保険料が約15万円。
建物保険金額を60%下げても、
保険料はほとんど下がらない。
かなり重い固定費になってきています。
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■ 35年間で考えるとさらに重い
ここで重要なのは、
2016年時点でも、
すでに火災保険は
「10年契約時代」
へ移行していたこと。
つまり、
今回の10年間約8.5万円という保険料自体、
すでに
35年契約終了後の水準です。
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以前の35年契約時代であれば、
さらに長期割引が大きく、
「将来の値上がり固定」
も可能でした。
つまり、
今回の2016年水準、
10年間約8.5万円ベースなら、
35年間総額 約30万円程度。
かなり有利な制度だったとも言えます。
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しかし現在は、
最長5年更新。
今回の火災保険料約16万円で単純計算すると、
35年間総額 約112万円。
すでに、
以前の約4倍近い水準です。
しかもこれは、
「今後35年間ずっと保険料据え置き」
という前提。
実際には、
・自然災害増加
・建築費高騰
・料率改定
などで、
さらに上がる可能性も充分あります。
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ちなみに、
これはまだT構造。
一般木造(H構造)になると、
さらにその約2倍程度になるケースもあります。
つまり、
T構造で約16万円
↓
H構造だと30万円前後
のイメージ。
以前の火災保険コラムでも触れましたが、
「一般木造で5年間30万円程度。RCの約10倍」
というケースもあります。
単純計算すると、
一般木造(H構造)は、
“火災保険だけで月1万円前後”
のイメージです。
しかもこれは、
住宅ローンとは別。
管理費とも別。
修繕費とも別。
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昔は、
一般木造35年一括で100万円前後、
という感覚もありました。
しかし現在の感覚で、
5年間30万円
↓
35年間換算
すると、
単純計算で約210万円。
しかもこれは、
「今後35年間ずっと保険料据え置き」
前提です。
実際には、
・自然災害増加
・建築費高騰
・料率改定
などを考えると、
将来的には、
“35年間総額300万円超”
のような世界になっても、
そこまで不思議ではないと思います。
つまり、
昔の
「35年100万円で固定」
から、
今は
「終わらない更新型固定費」
へ変わってきています。
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さらに最近は、
・築古は加入不可
・更新拒否
・水災条件変更
なども増えています。
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■ 昔は35年契約が普通だった
以前は、
・35年
・36年
の長期契約が一般的でした。
しかも、
住宅ローン時にまとめて支払うケースも多かった。
つまり、
「最初に払って終わり」
に近い感覚。
さらに、
長期割引も大きかった。
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■ 長期契約は“顧客を守る”制度でもあった
当時は、
・低インフレ
・低金利
時代。
そのため、
「将来の値上がりを固定できる」
かなり有利な制度でもありました。
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■ 今は5年更新時代
しかし現在は、
35年→10年→5年
へ短縮。
つまり、
5年ごとに、
まとまった更新負担が来ます。
しかも、
・保険料上昇
・条件変更
・補償変更
の可能性もある。
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■ 今後は毎年更新時代になるかもしれない
最近の流れを見ると、
保険会社側も、
長期間リスクを固定しづらくなっています。
・自然災害増加
・建築費高騰
・修繕費高騰
などが背景。
今後さらに進めば、
・毎年更新
・毎年料率見直し
のような方向へ進む可能性もあると思います。
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■ 火災保険料は何で決まる?
火災保険料は主に、
・建物構造
・所在地
・保険金額
・補償内容
・築年数
などで決まります。
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■ RC・T・H構造とは?
### RC・SRC(M構造)
鉄筋コンクリート系。
比較的保険料は安め。
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### T構造
準耐火系。鉄骨造など
私の今回の戸建てもこれ。
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### H構造
一般木造。
かなり高い。
特に、
・築古
・地方
・水災エリア
などは重い。
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■ 建築費が安い木造住宅は注意
最近は、
建築費を抑えた木造住宅も増えています。
もちろん否定する話ではありません。
ただ、
・火災保険
・更新負担
・将来の料率上昇
まで含めると、
「購入時の支払だけ」
では済まない可能性があります。
特に、
ギリギリの住宅ローンや、
カツカツのキャッシュフローで考える場合は注意が必要です。
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■ ボロ戸建て投資・木造アパート投資も要注意
最近は、
・地方ボロ戸建て投資
・木造アパート投資
なども人気があります。
もちろん、
うまく回している人もいます。
ただ、
・築古
・木造
・地方
は、
火災保険料がかなり重くなるケースもあります。
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特に最近は、
・更新拒否
・加入制限
・水災条件変更
なども増えている。
つまり、
「安く買えた」
だけでは、
判断しづらい時代になっています。
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表面利回りだけでなく、
・火災保険
・修繕
・空室
・将来更新費用
まで含めて、
見ておいたほうが良いと思います。
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■ 火災保険は“自分の家は自分で守る”制度
ここはかなり重要。
日本には、
「失火責任法」
があります。
通常の火事では、
火元に重大な過失が無い限り、
損害賠償責任を負わない。
つまり、
隣家から火が出ても、
「自分の家は自分の火災保険で守る」
が基本です。
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■ オーナーは“絶対加入”前提だと思う
ここもかなり重要。
賃貸物件の場合、
「入居者が火災保険に入っているから大丈夫」
と思っている人もいます。
しかし実際には、
・未加入
・更新漏れ
・途中解約
なども普通にあります。
つまり、
“本当に継続されているか”
は、
オーナー側から見えづらい。
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さらに、
入居者の火災保険は、
基本的には
「家財保険」
です。
つまり、
建物そのものを守るのは、
オーナー側の火災保険。
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特に、
・築古
・木造
・地方物件
などでは、
「保険に入れない」
状態になるリスクもある。
だからこそ、
オーナー側の火災保険は、
“必須固定費”
として考えておいたほうが良いと思います。
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■ 火災保険は実際かなり使われている
火災保険という名前ですが、
実際には、
保険金支払件数の96%は火災以外
とも言われています。
つまり、
・台風
・水災
・雹
・漏水
・破損汚損
など。
私自身の過去事例でも、
・収納ベッド破損
・カビ
・上階漏水
など、
火事ではない案件ばかりでした。
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■ “お守り”から“申請するもの”へ
昔は、
火災保険は
「万一の火事のお守り」
のような感覚が強かったと思います。
そのため、
多少の損傷では、
保険申請しない人も多かった。
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■ 今は“使えるなら申請する”時代
しかし最近は、
・ネット情報
・SNS
・保険申請サポート業者
なども増え、
「使えるなら申請する」
という意識がかなり広がっています。
もちろん、
正当に補償を受けるのは契約者の権利。
実際、
・台風
・漏水
・破損
などで、
助かるケースも多い。
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■ 一方で、保険会社側の支払いも増える
当然ながら、
申請件数が増えれば、
保険会社側の支払いも増えます。
つまり、
・自然災害増加
・建築費高騰
だけでなく、
“顧客側の権利意識変化”
も、
保険料上昇の背景のひとつだと思います。
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■ 一方で、内容を理解せず加入している人も多い
調査では、
約85%が
「深く検討せず加入」
とも言われています。
つまり、
・銀行に言われるまま
・不動産会社任せ
・更新だけ継続
もかなり多い。
しかし現在は、
・水災
・地震
・築古制限
など、
かなり内容理解が必要な時代になっています。
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■ 参考純率も大きく上昇している
火災保険料上昇の背景には、
「参考純率」
の上昇もあります。
参考純率とは、
簡単に言うと、
「保険料の原価目安」
のようなもの。
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近年では、
・2014年 +3.5%
・2018年 +5.5%
・2019年 +4.9%
・2021年 +10.9%
・2023年 +13.0%
など、
かなり高いペースで改定されています。
累積では、
全国平均で約40%上昇。
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しかも実際には、
・長期契約消滅
・長期割引縮小
・地域細分化
・水災リスク反映
なども加わる。
そのため、
契約者側の“体感値上がり”は、
さらに大きいと思います。
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■ 保険会社は“価格転嫁しやすい業界”
通常の企業なら、
・売上悪化
・利益減少
となると、
まず、
・人件費削減
・コスト削減
を考えます。
しかし保険業界は少し構造が違う。
・参考純率改定
・料率変更
・補償見直し
によって、
比較的直接的に、
保険料へ転嫁しやすい業界です。
もちろん、
・台風
・豪雨
・建築費高騰
などで、
保険会社側の負担が増えているのも事実。
ただ、
契約者側からすると、
「また上がるのか…」
という感覚になりやすいと思います。
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■ みんな少しずつ変わった
この10〜20年で、
火災保険を取り巻く環境は、
かなり変わったと思います。
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### 加入者
昔:
「お守り」
今:
「使えるなら申請する」
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### 代理店
昔:
長期契約で安定収益
今:
短期更新・手間増加・収益低下
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### 保険会社
昔:
長期固定でも回った
今:
短期更新・価格転嫁・細分化
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### 銀行
昔:
質権設定で管理
今:
自己責任寄り
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つまり、
・低インフレ
・長期固定
・みんなで安定
の時代から、
・短期更新
・価格変動
・自己責任
の時代へ変わってきています。
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■ まとめ
昔は、
「とりあえず加入」
でも何とかなった時代でした。
しかし現在は、
・契約期間短縮
・保険料上昇
・地域差拡大
・築古制限
・自己責任化
など、
かなり環境が変わっています。
火災保険も、
「不動産経営コスト」
として考える時代になっていると感じています。


