定年後の再雇用で同じ仕事同じ責任なのに賃金を下げるのは違法?
報道によりますと、政府の「働き方改革実現会議」で、同一労働同一賃金のガイドラインを作成中ですが、その中で賞与に関し、非正規も支給しなければならないと、明記しました。
どういうことかと言うと社員に対して例えば基本給の1ヵ月分の賞与を支給するとなった場合、今まではパートさんなどには一切払っていなかった事業所でも、いくらかは払わざるを得なくなりそうです。もちろん、社員とパートの貢献度の違いがありますから、同じ1ヵ月を払わなければならない訳ではなく、貢献度に応じた分は支払わなければならなくなるということです。つまり、社員の貢献度を100%とした場合、パートさんも会社の業績に対しては0%ということはあり得ないわけで例えば50%は貢献しているのであれば、パートさんが1ヵ月80,000円を稼いでいるとして社員が1ヵ月分出るのであれば、同じく1ヵ月分(80,000円)×50%(貢献度)=40,000円は支払わなければならないのです。
これは、パートさんに取ってみれば収入の増加につながりますが、事業所にとっては大きな負担となってきます。国としては、非正規雇用者の底上げを図るため賃金格差を是正させたいという思惑です。
ただし、事業所にとって賞与の原資が決まってしまっていて、パートにも賞与を払うとなれば、社員の賞与を減額しなければならなくなるかもしれません。そうなると正規雇用の賃金が減って、非正規の賃金が増えるが、全体としては賃金は結局変わらない、ということにもなりかねない懸念もあります。果たして政府の思惑通り進でしょうか。
来年の法改正とともに同一労働同一賃金の定義が見えてくる
今回のガイドライン、来年には労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の改正により、同一労働同一賃金の定義が見えてくるでしょう。また、最低賃金も1,000円に向けて上がってきますので、事業所にとっては、人件費の増加が避けられない状況になりそうです。